芥川 龍之介(著)
A5判 336ページ 価格 3,500円+税
ISBN978-4-86251-402-8
シリーズ第3巻として「羅生門」「藪の中」「地獄変」「邪宗門」の4作を大活字、読み仮名付きで収載している。「羅生門」は、生きるための悪という人間のエゴイズムを克明に描き出した小説。「藪の中」は、今昔物語を下敷きにした短編小説。「地獄変」は説話集『宇治拾遺物語』の「絵仏師良秀」を基に、芥川が独自に創作した短編小説。「邪宗門」は「地獄変」に登場する大殿様の息子、若殿様が主人公である。親子でありながら性格等全く違う二人の対比が面白い。未完の小説であるが、併せて読んでほしい作品である。
目次
羅生門
藪の中
地獄変
邪宗門
著者プロフィール
芥川 龍之介(アクタガワ リュウノスケ)
1892(明治25)年 東京府京橋入船町に新原敏三の長男として生まれる。11歳のときに母が死去し、後に、叔父・芥川道章(母の実兄)の養子となって芥川姓を名乗る。東京帝大英文科に進み、久米正雄、菊池寛らと知りあって第3次「新思潮」に参加する。漱石の知遇をえて師事し、第4次「新思潮」創刊号掲載の「鼻」が漱石の絶賛を受けて、一躍、大正文壇の寵児となる。近代日本小説の礎となる短編の傑作を多数発表したが、1927(昭和2)年、服毒自殺をとげる。享年35歳。