瀬口利一のトルン通信(4月21日〜5月11日)

4月22日

トルンがプロイセン王国の支配下にあった19世紀に建設された軍事要塞跡。ここがポーランドへ逃れてきた避難民に生活必需品を配布したり、ウクライナ国内向けの支援物資を準備したりする倉庫として使われています。

4月23日

・ポーランドの復活祭は終わりましたが、ウクライナ避難民にとっては今週末が復活祭。
・ トルンで支援活動に取り組んでいる藤田泉さんが23日、自宅に受け入れている避難民の女性芸術家と共同で子供たちのためにイースターエッグの絵付けワークショップを企画しています(FBをシェア)。
・ この日はトルンで活動する複数の避難民支援団体が交流会や反戦デモを行う予定。生活必需品の配布やウクライナへの物資輸送など通常の支援活動も続けられています。

トルン市内の小学生たちが避難生活を送っているウクライナの子供たちに贈るために学校で制作した手作りイースター・エッグのメッセージカードです。思い思いに平和の願いがこめられています。

避難民支援グループを通じてお裾分けしていただた一通がこれ。
ウクライナとポーランドの国旗があしらわれているのがすぐに分かります。
が、よく目を凝らせば、なんとロシア国旗 も浮かび上がってきます!
偶然だとは思えず、作った児童の純真な平和への願いが込められているのだと感動しました。
開くと平和と友好に関する語彙のポーランド語、ウクライナ語辞書になっています。
私がいただくのは申し訳ないので、トルンの日本人家庭が受け入れているウクライナの児童に渡そうと思います。

4月25日

・ソ連成立から100年。ロシア/ソ連歴代指導者の”成績表”がこれ。
・戦争を「戦争」と呼んだのは第二次世界大戦(ロシア語では「大祖国戦争」)の一度きり。
・今回のウクライナ侵攻、クリミア併合をはじめ過去の他国への侵略、内政干渉、少数民族弾圧はすべて「特別軍事作戦」「解放」「反テロ」などの美名のもとに虚飾してきた。
・ゆがんだ歴史観、もちろん落第、どころかけん責、”退学処分”間違いなし。

児童向けの書籍(ウクライナ語)です。イラスト画部分をクリックすると無料でダウンロードできます。避難してきた子供たちだけでなく、ウクライナ語を学ぼうとする外国人にもおすすめです。

4月26日

・この記事、長いけど鋭い。
・ドローンの使い方一つにしてもロシアと欧米で着眼、発想が全く異なる。ロシア軍は日露戦争やそれ以前と同じ「旧思考」で兵器を用いるから攻撃は無差別と化し、民間人を巻き込んだ犠牲者は増えるばかり。侵略を正当化し続ける指導者の頭の中には兵器にも人道、非人道の区別はないように見える。
・戦争がこの世からなくならない以上、先端技術は人的犠牲や物的被害を抑えるために使われるべきだと思うが、そうはならないのが現実で悲しい。

ロシアの最先端ドローンに世界仰天、カメラもエンジンも日本製

4月28日

・ウクライナの戦場の写真1500枚以上を組み合わせて仕上げたロシア独裁者の肖像画がSNSで拡散中。作者がどんな思いを込めたのか想像しているうちに、蹴飛ばして破り捨てたくもなる。芸術作品を冒とくする意図はないが、この人物のせいで幾多の人生がぶち壊されたのかと想うと目を背けずにはいられない。
・Портрет русского диктатора из более чем 1500 фотографий войны в Украине.

5月4日

・プーチンのウクライナ侵略を正当化するために作られたプロパガンダ映画。ロシア国営テレビのロゴがついていて国内向け、政権の意向に沿った宣伝番組といえばそうだが、”すり替え”はなはだしい。
・マリウポリの悲劇も、「ロシアはナチ主義者から市民を”解放”するために行動しているのであって、犠牲が拡大しているのは、米国、欧州NATO側が重火器をウクライナに提供しているからだ」と主張している。

・クリミアだけでなく、ドンバス地域一帯をロシアに編入しようとするプーチンの野望が透けて見える。
・在京ロシア大使館のツィッターでも、これみよがしにアップロードされています。
・日本で現在、公開されている同名タイトルの映画はウクライナのセルゲイ・ロズニツァ監督による2018年の作品(カンヌ映画祭で監督賞受賞)なので混同しないように、念のため。
https://twitter.com/eigacom/status/1521341276871815169

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