坂本龍太朗のワルシャワ通信(5月5日〜5月11日)

5月5日

急遽今日の午後、明日パソコンを5台ウクライナ西ザスタヴニ小学校に送ることになった。私は支援で買いに行けず、妻に購入依頼。今日注文と支払いで、明日取りに行くことに。物資を運ぶバスは明日の午後こちらを出発する予定。間に合うといいが。

明日、50人の避難民がこちらに来ます。役場に支援対策会議に来ています。

・ウクライナ支援に関する講演会
・日時:5月7日(土)17時~
・場所:長野県千曲市「あんずホール」大ホール
・+250人以上は入れないため、オンラインでも同時配信
・主催:千曲市ウクライナ避難民を支える会 代表竹下雅道
・後援:千曲市、千曲市教育委員会
・問合:竹下雅道 09015548472
https://youtu.be/Aqrx_8WwO5M

5月6日

・近いうちに来日するウクライナの兄妹に日本語を2時間教える。彼らは日本語を今まで全く勉強したことがないので、自己紹介や自分について話すために必要な単語の導入や会話練習を行った。日本語学校を経営していて、こういったところで今までの経験を使えるのは本当によかったと思う。
・彼らはポーランド語が分かるので、学校の教科書や漢字カードなどをプレゼントし、こちらポーランドにいる間にできるだけ日本語を学んでもらいたいと思っているし、彼らも学びたいと思っている。日本に行ったらしばらくは生活基盤作りで忙しくなるだろうから、比較的時間がある今学ぶことに意味がある。

・その後彼らからウクライナ語も教えてもらった。今まで私がウクライナ人との関わりの中で聞いて理解はできるが、実際にどう書くのか分からない表現を説明してもらった。
・正直、彼らがこれから日本に行くわけで私がウクライナ語を学ぶよりも彼らが日本語を学ぶべきだと思う。しかし彼らは本当に熱意を持って私に色々と説明してくれる。そこでふと思った。避難してきている彼らにとって、人(ここではウクライナ語を学ぶ僕)の役に立つことで、彼らがここにいる意義や充実感を感じているのではないかと。正直これについて深く考える余裕は今ないので、とにかく今後彼らが日本に行くまでできるだけ日本語を教えてから送り出そうと思う。

・また、いつか感じた気持ちと同じだ。彼らといて楽しいので、彼らに日本に行ってほしくない。ずっとポーランドにいて一緒に話したり、お茶飲んだり、できれば旅行したり、平和な暮らしをしたいという欲望に駆られてしまう。今まで何度こんな気持ちになったことか。
・正直怖い。ウクライナで戦争が終わったら、今私が家族のように付き合っている多くのウクライナ人は帰国し、会えなくなるんだろうな。今は彼らの話を聞いて、辛くて泣いてしまうが、いつか彼らと別れるのが悲しくて泣くことになるんだろう。戦争は終わってほしいし、彼らから「もう支援はいりません」と言われたいし、日本の皆さんに「これ以上支援金は必要ないので、今までありがとうございました」と言いたいし、私も平穏な生活を送りたい。もう少しの辛抱だって、みんな思ってる。そのもう少しはあと何年続くのだろう。あまり先のことは考えない方がいいのかもしれない。今はただただ目の前にいる人たちとの時間を大切に、今後も支援を続けていくのみ。

・日本国大使館にビザを受け取りに来ています。車で大使館に向かいながらハイキューの家族との会話。
・(笑いながら冗談を言っています)
・「ビザもらったらもう日本に行くだけね」
・「いや、その前にPCR検査しないと」
・「そっか!ごめんね、迷惑かけて」
・「別に迷惑だなんて思わなくていいよ」
・「迷惑あまりかけないように、できるだけ早く日本に行くからね」
・「こっちにいても日本に行ってもどうせ日本人に迷惑かけてるんだから同じでしょ」
・「まぁね。心配して損した(笑)」

・講演会を明日に控え、地元の新聞で私が3年前に出した本が紹介されたという知らせが届きました。最初の印象は、あの頃は本を書くほど余裕があったんだな、ということです。今日はとにかく支援と明日の講演会の構想を練り続ける一日にします。
・ウクライナ支援に関する講演会
・日時:5月7日(土)17時~
・場所:長野県千曲市「あんずホール」大ホール
・+250人以上は入れないため、オンラインでも同時配信
・主催:千曲市ウクライナ避難民を支える会 代表竹下雅道
・後援:千曲市、千曲市教育委員会
・問合:竹下雅道 09015548472
https://youtu.be/Aqrx_8WwO5M

・本日の朝日新聞朝刊です。
・今までのこちらの状況に関しての記述に続き、明日の講演会についても触れてくださっています。
・ウクライナ支援に関する講演会
・日時:5月7日(土)17時~
・場所:長野県千曲市「あんずホール」大ホール
・+250人以上は入れないため、オンラインでも同時配信
・主催:千曲市ウクライナ避難民を支える会 代表竹下雅道
・後援:千曲市、千曲市教育委員会
問合:竹下雅道 09015548472

・今日ウクライナに送り込む支援物資に貼るためのシールを描いています。どこの誰が応援しているのか、合わなくても伝えるための方法です。
・今日はウクライナ側の組織がこちらにバスを送ってくれるため、彼らとの協力で搬入します。

5月7日

・明日の講演会の準備をしようと思っていた矢先、昨晩50人のウクライナ人が私たちの施設に到着しました。この写真は到着前に準備した部屋の様子です。今はここに多くの皆さんがいらっしゃいます。
・今回はルガンスクやマリウポリ、ハリキューなど各地から来ているみなさんで、中には両親を戦争で亡くした孤児もいます。今日1日だけで、明日の講演会の1時間全部話せるぐらいばたばたしています。
・明日はまさに始まってから今日の今この時まで、こちらで何が起きているのかをお伝えできればと思うので、明日の講演会前までじっくりと話の内容をまとめて参ります。

・夜9時半、ウクライナの娘2歳と共にワルシャワの子ども病院に来ています。あと何時間待つか全く分かりません。
・今日は予期せず2回ワルシャワに来ることになりました。いつ何があるか分からない。これが支援の現状です。

・ワルシャワの子ども病院で待つこと数時間。夜11時を過ぎたところでウクライナから昨日送ったパソコンがすでに避難してきた子供たちに届いたというニュースが入りすごく元気が出た。この病院では何人もウクライナの方が周りにいる。子どもたちは寝る時間なのに、かわいそうに。

・昨晩は子ども病院で5時間待ち、朝3時過ぎに帰宅。5時間待ちで済んでよかったですが、改めてポーランドの医療体制の脆弱さを身をもって体験しました。検査の結果、ウクライナの娘は大丈夫でしたので、病院で待つ価値はありました。
・本日はまず日本時間17時、ポーランド時間10時から講演会(オンラインで同時配信)、午後から支援に向かいます。
・ウクライナ支援に関する講演会
・日時:5月7日(土)17時~
・場所:長野県千曲市「あんずホール」大ホール
・+250人以上は入れないため、オンラインでも同時配信
・主催:千曲市ウクライナ避難民を支える会 代表竹下雅道
・後援:千曲市、千曲市教育委員会
・問合:竹下雅道 09015548472
https://youtu.be/T8FSnxM0HT4

5月8日

・午後1時、ウクライナのみなさんがスイスに旅立つ。明日の午前10時にスイスに着く予定。短い時間だったけど、やはり別れは悲しいものだ。
・今回は戦争で両親を亡くした子ども達やマリウポルで40日間地下で過ごし、その後ロシアに「拉致」された人々など。彼らの気持ちは絶対に理解できないし、大丈夫だよと口では言ってもそれを私自身が保証できない矛盾を感じる。とにかくみんなと抱き合って、別れた。
・スイスで彼らが安定した避難生活を送れますように。

今日は午前中、日本にいる気分だった。午後は現実に戻ったが、それはあまり戻りたくない「別れ」という現実だった。
最後にみんなで撮った集合写真。

5月9日

・ウクライナ避難民来日前のPCR検査。
・良い悪い、正しい正しくないはさておき公式発表のよると日本の陽性者数は約4万人、ポーランドは約700人。
・単純すぎるがこれだけで判断させてもらうと、明らかに日本の方がパンデミックの度合いが高い。にも関わらずポーランドから来日するために事前に指定された検査を行い、さらに来日後空港で検査、その後隔離。。。
・ポーランドはマスクもないウクライナ人を検査もせずにとにかく入れていることを考えるとなんかなぁ。。。と思ってしまう。あくまで、いいか悪いかはおいといて。

昨日の講演会について、本日信濃毎日新聞で取り上げていただきました。
日本からの応援を支えに今後もウクライナ支援を進めていこうと心を新たにした次第です。

5月10日

・ウクライナに搬入するにあたり、今まで多くの人や組織と協力してきました。全て私が直接会い、直接話し、信頼できる人や組織です。ウクライナに搬入後、写真や動画も届いています。今回、私たちの自治体にバスを送ってくれたのはウクライナにある支援団体Fund of Free and Caring(ウクライナ語:Фонд вільних та небайдужих)です。彼らと話す中で、気づいたことがあります。世界ではウクライナ避難民の支援に第一に取り組んでいる国としてポーランドが挙げられています。そして、私もそれを事実だと考えてきました。しかし、ウクライナを一番助けているのは、実はウクライナです。

・彼らは私のようにミサイルが飛んでこないポーランドでお茶を飲んだり、安心して寝ているような環境ではなく、戦争当事国で自分のことよりも他人のために活動しています。私が今までウクライナ西部に運び込んだ物資。それもよく考えてみればウクライナ東部に運んでくれているのはウクライナ人達です。最後の最後はウクライナの誰かが、前線で困っている人たちに届けているんです。今まで、侵略国家ロシアにとっての戦勝記念日である5月9日を1つの区切りとして医療支援物資の搬入に注力してきました。ここからは次の段階とし、このFund of Free and Caringと協力していく計画です。

・ウクライナの人たちと話す中で、多くの皮肉も聞きます。いくつか紹介しようと思います。
・1.今までばらばらだった西側社会をまとめることができたのはなんとプーチンだった
・2.ヒトラーにユダヤの血が入っていたと言い、ロシアに対する敵対国を増やしてくれたラブロフには感謝したい
・3.ウクライナに一番軍事支援をしてくれているのは西欧ではなくロシア。彼らはウクライナのために、戦車を乗り捨てて逃げていく

・その他ロシアはウクライナで記念碑として街に飾られていた戦車をウクライナ軍と間違えて砲撃したりもしていますし、前線から離れるためにあえて同僚同士で足を撃ち合って負傷兵になったり、自軍の戦車を壊したりもしています。
・最近、ロシアでは各地で火災などが相次いでいます。単純に考えるとこれはウクライナ軍によるものなのでは?と思ってしまいますが、今日は面白い分析を聞きました。それはロシアが崩壊し秘密が暴露される前に、証拠を爆破したり火災で焼失させたりしているというのです。最後に、ウクライナ人に言われ一番心に残っていることです。この戦争は世界の自由と民主主義を守るためだ。自由を守るため、西欧は金で戦っている。ウクライナは血で戦っている。

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