坂本龍太朗のワルシャワ通信(7月26日~8月1日)

7月26日

クレメネチ市の学校から素敵な絵をいただきました。この街には山の上に遺跡があります。私は長野県千曲市で、毎日学校の窓から山の上にそびえる森将軍塚古墳を見て育ったので、どこか懐かしさを感じてしまいます。

(読む支援のお願い)

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7月27日

日本時間で金曜日の朝にお邪魔したNHK朝のラジオ、放送後でも聴き逃しサービス「らじる★らじる」で聞くことができます。海外からは無理なので、聞けない場合は後日文字化されたものを共有できればと思います。

(少し長い投稿です)

10数年前、知り合った頃はお互いまだ学生だった。恐らくポーランドに来た時期もほぼ同じだろう。たくさんいたウクライナの友人の中で、アデリナはワルシャワ大学で日本語を専攻していたこともあり、あの頃は授業以外にもよく会って勉強していた。毎回ロシア語と日本語で半分ずつ話し、お互いを利用して言語力を高めあってきた。喧嘩をして口をきかないこともあった。もう理由なんて忘れたけど。そんなアデリナと数年ぶりに再会。

戦争が始まってからも会わなかったのは、彼女が開戦後すぐに研究員として日本の大学に行ったから。いや、それ以上に多くのウクライナ人の友と「平和になったら会おう」と約束しきたので、会わないことで平和が近づくような変なジンクスがある。実際、ポーランドにいてすぐ会えるウクライナ人の友人達とも結局この2年半会っていない。日本に行ったとき会えた友人にもあえて会わなかった。でも、全然平和に近づいている気がしない。

アデリナは今、日本でウクライナ避難民への支援やウクライナ文化紹介に従事している。今まで何度も会っているのに、ドネツク出身の彼女とクリミア占領やドンバスで紛争勃発について話した10年前のあの日の印象がとても強く残っている。あの日だけは唯一、彼女は落ち込んでいた。そう。私たちにとっての戦いは2年前ではなく、10年前からもう始まっていたんだ。

彼女とは共通言語が5つ(ポ語、露語、ウクライナ語、日本語、英語)があり、お互い言語を武器にウクライナ戦争に立ち向かっている。お互いにとって外国語とはいえ、やはり出会った国の言葉ポーランド語でのやり取りが一番楽。いや、今は正直ロシア語を話したいとあまり思わない自分がいる。聞いてないけど、恐らく彼女も。ハリキウの友人とロシア語で話す時、いつも「これはハリキウ語だから」と言われる。じゃあアデリナと「ドネツク語」で話してもいいのだが、ポーランドのカフェでは流石に気が引ける。言語に罪はないとわかっていながらも。

世界のウクライナに対する関心が薄まっていることなど同じ懸念を共有。落ち込むテーマが多いのに、お互い離れているのに、それでも同じ問題を共有していることに変な安心感を感じてしまった。日本からわざわざ数冊私の本を持ってきてくれ、サインする。次会うときは平和な世の中になっているはず。そんなジンクスをかけるのはもうやめて、今できることをしていくしかない。アデリナが今月末に日本に戻ってからも僕がこっちでその分ウクライナを支えて安心してもらえるように。そして、日本人の僕が日本でできない分、日本では彼女に活躍してもらわなきゃと勝手に期待してしまう。別れ際にはやはり願ってしまう。次会う時は平和の祝杯を交わしたい。

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7月28日

自宅に届く物資は、全て開けて中を確認し、仕分けし、数や物によってはサイズをチェックする(例えばおむつ)。その後搬入車両には隅々まで詰めるので、緩衝材などは破棄。結果として今月の紙ゴミは23袋に。ポーランドでは廃品回収などないので、ダンボールは潰してこの青い袋に入れ、決まった日に家の前に出す。その後収集業者が各家庭を回る仕組み。

(ウクライナの子ども達を支える会)

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7月29日

ガソリン発電機やディーゼル発電機は出力も高く便利なのですが、なにせ燃料代がかかります。そのため、最近はこのようなソーラーパネル付きの発電機を送ることが増えています。こちら、5台あります。

(継続支援へのお願い)

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7月30日

埼玉の高校生、冨澤さんに送ってもらったオムツのサイズ分け作業をしています。既に搬入したオムツ以外の13箱を全て開け、成人用と子供用に分けます。明日までに枚数やパック数なども細かく調べます。国境で提出する書類の下準備です。

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7月31日

国境提出書類のために進めていたオムツの数量とサイズ確認、完了しました。現在あるオムツは計3429枚、パック数にして142、計12箱の段ボール分けられています。中にはS、M、Lではなく対象体重が書いてあったり、「ビッグ」などと書いてあるおむつもあり多種多様です。

(ウクライナの子ども達を支える会)

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8月1日

ウクライナのお菓子をいただきました。表紙には「ウクライナを心に」、裏表紙にはウクライナに対する愛国詩が書かれています。ウクライナ語で書かれているということは、外国へのお土産というより自国民の団結を高めようということでしょう。

(継続支援へのお願い)

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