坂本龍太朗のワルシャワ通信 12月30日〜1月8日

(1)ウクライナの子どもたちがクリスマスプレゼントをもらうのは1231日。

今年は1000人の子どもたちにプレゼントを準備している。

今回は460本の魔法瓶をテルノピル州の小学校に送った。

電気がなくても、子どもたちに温かいお茶を飲んでもらいたい。

12月30日

リヴィウ州グリニャニ郡のザスタブネ小学校に発電機と共に子どもたちへのクリスマスプレゼント125人分が届いたという報告あり。

小学校を、暗闇から救いたい。

子どもたちを、絶望の崖から引き上げたい。

それができるのは支援をしているのが「私」ではなく「私たち」だから。

12月31日

ウクライナからいただいたクリスマス飾り。

ウクライナでは刺繍のお土産なども多いが、その多くが手作り。

器用さの面では日本の「ものづくり」に通じるところがある。

今年、最後にウクライナに届けたもの。

子どもたちに電気やガスがなくても、温かい飲み物がある環境。

魔法瓶はその名の通り、子どもたちに絶望を希望に変える魔法をかけてほしい。

来年も、私たちは君たちと常に共にある。

年末に、注文していた笑顔をありがとう。

日の丸も笑っているよ。

1月1日

リヴィウ州グリニャニ郡を通して送り込む非常用電源4台。

1台4.2キロで持ち運びも簡単。

1台6万1000円と、ガソリン発電機と大して値段は変わらないが、車で充電できるなど利点がある。

支援物資は多岐に渡る。

今回搬入するのはLED静脈発見器。

3段階の光で静脈注射などの失敗を防ぐために使われる。

主に乳幼児から青年期までが対象。

新しい電池を装填してから、2-4時間の連続照射が可能であることも、電力の問題があるウクライナでは重要な要素となる。

1月2日

戦死した友人の息子に、友人に代わって準備したクリスマスプレゼント。

友人は戦前エンジニアとして活躍していたが、息子からプレゼントとして頼まれたものは玩具の修理道具。

しっかり父親の背中を見て育ってきたことを改めて感じた。

1月3日

この子どもたちとも出会って早10ヵ月。

戦争と同じ長さだと考えれば、あえて共に過ごした期間を指折り数える必要もない。

小学校6年生のこの子たち。

ポーランドに避難して来たにも関わらず、日本通になっていく運命を背負う。

1月4日

ウクライナの子どもが通っている小学校の1つ。

今月の初めから4人の子どもを新たに登録させたが、彼らが入ったクラス全てにウクライナの子どもがいる。

夏以降、10月中旬の全土へのミサイル攻撃までは帰国の動きがみられたが、今の状況ではとても帰国できない。

ウクライナ政府も冬には帰国しないよう国外避難民に要請している。

1月5日

リヴィウ市の小学校に追加で運び込むポータブル電源77台など。

以前送った53台と合わせ計130台。

リヴィウ市内全ての小学校にポータブル電源を送る構想が達成される日も近い。

まだまだ越冬支援は続く。

1月6日

リヴィウ市の子どもたちに向けたクリスマスプレゼントの魔法瓶200本。

昨晩11時に搬入作業を行い、今朝未明ウクライナ入り。

なんとかクリスマスに間に合った。

これにて届けたプレゼントは1025人分。

クリスマス企画も一段落し、また越冬支援に軸足を移す。

11時過ぎ、自宅に3トントラックが到着。

発電機などの物資を積み込む。

今回は夜も遅いので、運転手のユラさんとはゆっくりお茶を飲む間もなくお別れ。

また近いうちに!

1月7日

メリークリスマス!ウクライナのクリスマス。

6人の子どもたちと過ごす。

正教が採用しているユリウス暦(旧暦)では今日がクリスマスだが、ポーランドのカトリックなどのグレゴリウス暦(新暦)では1225日。

新暦で祝うウクライナ人も増えている。

1月8日

リヴィウに届けた電灯300台。

物資の山が自宅に届くたび、作業を始める前にしばらくその前に立ち尽くす。

頭の中には何度も「さてと・・・」の3文字がよぎる。

領収書は取得済みか、搬入先は1地域か、いつまでに仕分けすべきか、緩衝材をどこまで抜くかなど整理することは多い。

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