「 投稿者アーカイブ:sanwa 」 一覧

第12号/神嘗祭、鎌祝い、烏瓜

文/石地 まゆみ 神嘗祭 神嘗祭勅使の纓(えい)の揺れて行き  坂井 建  令和の御代替わりの「即位礼」「大嘗祭(だいじょうさい)」と一連の儀式が、無事に執り行われました。これらについてはニュースでも …

第11号/重陽、蟷螂、鳥兜

文/石地 まゆみ 重陽 一笛に夜気の澄みゆく菊の酒  林 瑞夫  陰暦9月9日は重陽(ちょうよう)、今年の陽暦では10月7日にあたります。「菊の節句」という言葉も聞いたことがあるかもしれません。  中 …

第10号/生姜市、良夜、風船葛

文/石地 まゆみ 生姜市 包みたる神明生姜よく匂ひ  深見 けん二  9月11日から東京芝の芝大神宮での祭礼「芝神明祭」が始まります。別名、「だらだら祭」。21日までえんえんと長く続くのでこの名があり …

第9号/二百十日、案山子、鬱金の花

文/石地 まゆみ 二百十日 近々と二百十日の鳶の腹  対中 いずみ  二百十日は、立春の日から数えて210日目、今年は9月1日でした。多くの地方で稲の開花期に当たりますが、台風が接近し荒れることが多い …

第8号/穂屋祭、金魚、胡麻の花

文/石地 まゆみ 穂屋祭 草の香のつよき暾が出て穂屋祭  宮坂 静生  穂屋祭(ほやまつり)は、8月(古くは旧暦7月)の26日から28日まで長野諏訪大社の御射山(みさやま)で行われる、諏訪信仰の原点と …

第7号/星合、蟻地獄、岩煙草

文/石地 まゆみ 星合 星合ひの夜の盥に水震へ  今瀬 剛一  7月7日は七夕。天の川を隔てて暮らす織姫、彦星が年に一度、会える日で、二星の出会いを「星合」と呼びます。現在は陽暦で行なうところが多いで …

第6号/茅の輪、山女、烏柄杓

文/石地 まゆみ 茅の輪 己が身を直径として茅の輪かな  能村 研三  旧暦の6月30日、各地の神社で「夏越(なごし)の祓」という行事が行われ、人々は半年間の罪・穢れを祓い清め、これからの半年間も健康 …

第5号/御田植祭、虎鶫、菩提樹の花

文/石地 まゆみ 御田植祭 一枚の空うすみどり御田植祭  伊藤 敬子  神社の御田(みた・おんだ)で、稲の豊作を祈念する御田植祭は、日本人と稲作との、深く長い歴史を物語る行事でしょう。各地で行われる御 …

第4号/時の日、袋角、大山蓮華

文/石地 まゆみ 時の日 吹き戻さるる時の日の群鷗  永方 裕子  一斉に飛び立つ鷗。風に乗って海へ…と思いきや、前に進むことをせずに戻ってきてしまいました。6月の梅雨入り前の強風に押され、進むと思っ …

第3号/神田祭、豆飯、なんぢやもんぢや

文/石地 まゆみ 神田祭 書痴われに本の神田の祭かな  池上 浩山人  神田明神の神田祭と浅草の三社祭が済まないことには、夏がやってこない、と江戸っ子たちのいう夏祭りの始まりの季節です。  5月の第二 …

第2号/開帳、畦塗、通草の花

文/石地 まゆみ 開帳 出開帳みな野歩きの靴であり  古賀 雪江  普段は非公開の秘仏の帳を開いて、一般の人々に拝観・結縁(けちえん)させる行事を「開帳」といいます。寺社の境内で行うものが「居(い)開 …

第1号/花祭、紫雲英、雉

文/石地 まゆみ 花祭(はなまつり) 花まつり樹下のしづくに日が射して  鍵和田 秞子  お釈迦様の生まれたといわれる4月8日は、「仏生会(ぶっしょうえ)」「灌仏会(かんぶつえ)」と呼ばれて、降誕を祝 …

第40号/短日、毛糸編む、冬の花蕨

2018/12/28   -季語でつなぐ日々

短日 短日のまだあをぞらの龍馬像  友岡 子郷 昼間の時間が短くなることが「短日(たんじつ)」です。「日短(ひみじか)」「暮早し」と言い換えることもできます。夜が長い「夜長」は秋の季語ですが、同じこと …

第39号/十二月、雑炊、冬木

2018/12/14   -季語でつなぐ日々

十二月 花束のやうに嬰(こ)を抱き十二月  恩田 侑布子   子どもを表す漢字はいくつかあります。「子」「児」「童」「稚」「坊」等。それぞれ、子ども、児童、童子、稚児、坊ちゃんと使われるとイメージしや …

第38号/神無月、冬の波、枯芒

2018/12/04   -季語でつなぐ日々

神無月 神無月跳んで帽子を掛けて子は  国東 良爾   神無月は陰暦10月のことです。陽暦に直すと1か月ぐらい遅くなりますから、歳時記では初冬の季語になっています。  この月は古くから、諸国の神々が出 …