民事再生法を中心とした実務と考え方
弁護士・弁理士
影山 光太郎 著
A5判 並製 310頁
価格 3,000円+税
ISBN978-4-86251-085-3 C2032
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内容
弁護士、弁理士として多くの企業や学校などの再建を手がけてきた著者が、現に再建手続を模索している人、倒産処理に遭遇する法務担当者、弁護士、再建手続を勉強しようとしている学生や院生などを対象に、民事再生法を中心とした事業再生の法制度をわかりやすく解説。
目次
第1編 再建法制と再建の手法
第1章 再建の原理
1 再建の原理の要点
2 スポンサー(支援企業)について
3 DIPファイナンスについて
Column1 真剣になっても深刻になるな
第2章 再建法制を中心とした倒産法制の概要
1 倒産法制と立法の経緯
2 民事再生法の概要
3 会社更生法の概要
4 破産法の概要
5 特別清算の概要
6 特定調停の概要
7 私的(任意)整理の概要
8 各手続の整理
Column2 争う土俵の重要性
第3章 いかなる再建手続を採るか
1 再建か清算か
2 私的手続か法的手続か
3 いかなる再建型の法的手続を採るか
4 再建手続と事業継続の方式との組み合わせ
Column3 ヒト、モノ、カネ
第4章 民事再生法による再建手続
I 民事再生法の和議法との相違・特徴・施行状況
II 申立てから開始決定まで
1 申立て前の留意事項
2 申立て
3 保全処分
4 監督委員
5 調査委員
III 開始決定から再生計画案の作成に至る手続
6 開始決定
7 他の手続の中止命令及び中止・中断
8 債権の種類と民事再生手続における弁済
9 再生債権の届出・認否・調査・確定
10 別除権・担保権の対処
11 財産の評定、裁判所への報告等
12 事業譲渡
13 役員に対する損害賠償請求権の査定
14 株主責任の明確化(従来の「減資」)、資本金の額の減少、募集株式を引き受ける者の募集(増資等)
Column4 短期的視点と中長期的視点
IV 倒産実体法
15 相殺権
16 双務契約
17 継続的給付義務を負う双務契約
18 否認権
19 多数債務者関係
20 倒産実体法の整理と各法制での比較
Column5 極めて重要なこととそうでないこと
V 再生計画案の作成・決議
21 再生計画案の作成
A 再生計画案の内容
B しばしば問題となる点
22 再生計画案の提出
23 再生計画案の決議
24 再生計画の認可決定の確定と再生計画の効力
25 再生計画の税務
VI 再生計画認可後その他
26 再生計画の遂行
27 事業の再生・継続
28 別除権に関する協定
29 再生計画の変更、再生計画の取消し、再生手続の廃止、破産手続への移行
30 簡易再生、同意再生
31 再生手続の税務
32 罰則
Column6 自分の頭で考えろ
第5章 個人再生
1 小規模個人再生
2 給与所得者等再生
3 住宅資金貸付債権に関する特則
Column7 対比または対応する概念
第6章 裁判所が関与しない再建に役立つその他の制度
1 私的整理ガイドライン
2 産業再生機構、企業再生支援機構、整理回収機構(RCC)
3 事業再生ADR
4 会社分割
5 中小企業庁による施策
Column8 弁護士の選任
第7章 債権者・販売先との交渉
1 債権者との交渉
2 販売先との交渉
Column9 相手との交渉
第8章 債権者からの対策
1 個別に債務者に対する対策
2 債務者の全財産に対する対策
3 手続全体に対する対策
4 緊急融資の制度
5 税務対策
Column10 相手の立場で考えてみること
第9章 企業買収(M&A)の視点
1 民事再生手続でスポンサー(支援企業)となることの利点
2 スポンサーになる方式
3 スポンサーになろうとするにあたって注意すべき点
Column11 勝負根性の不足
第2編 実例
第1章 民事再生法─自力再生型
1 事案
2 民事再生手続
3 留意点
第2章 民事再生法─スポンサー支援・事業譲渡型
1 事案
2 民事再生手続
3 留意点
第3章 民事再生法─スポンサー支援・株式引受型
1 事案
2 民事再生手続
3 留意点
Column12 人の評価が分かる状況
第4章 民事再生法─学校法人のケース
1 学校法人の破綻・再建
2 学校法人△△の経営破綻状況と民事再生法による法的手続
3 大学の組織・運営上の問題点と検討
4 学校法人の再建へのプロセスと特徴的な留意点
5 学校法人への民事再生法の利用
Column13 仕事は作品
第5章 会社更生法のケースの特質と動向
1 特に問題となった点
2 問題点の対処─DIP型会社更生手続
3 その他の問題点
4 結語
Column14 方向付けは細心に行うが、結果はいったん考えない
第6章 清算法制を再建に用いた例─破産法
1 事業継続型─Z社のケース
2 事業再開型─G社のケース
3 結語
第7章 清算法制を再建に用いた例─特別清算
1 構成
2 実例
3 結語
Column15 すぐに行動すべき場合とゆっくり行動すべき場合
補章 事業再生への知的財産権の利用
1 はしがき
2 事業再生における知的財産権の有用性
3 再建中の企業における知的財産権の取得・活用
4 特許関係費用の減免制度
5 知的財産権の利用と倒産法制
6 知的財産権の価値評価、担保化・その実行
資料
事項索引
法令索引
著者プロフィール
影山 光太郎
弁護士・弁理士・工学修士。
1944年愛知県生まれ。66年東京大学工学部合成化学科卒業。
68年修士課程修了の後、旭硝子(株)入社。
79年司法試験合格。82年弁護士登録。84年弁理士登録。
現在、銀座で影山法律特許事務所を主宰。熊本大学、大分大学、桜美林大学各客員教授。主として企業再建・清算関係、知的財産権関係事件などに携わる。