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9つの論考
大阪外語大学准教授
杉田 米行 編著
四六判 上製 315頁
3,000円+税
ISBN978-4-86251-033-4 C3030

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内容

お金は資本主義の血液とも言われるほど重要なものである。直接的にはアメリカ経済やビジネスで主要な役割を果たし、間接的には人の価値観や意識といった非物質的な要素や、アメリカの外交・内政にまで大きな影響を及ぼす。本書では、アメリカでお金が果たす役割を多面的に考察してみたい。
(序章より抜粋)

目次

序章 お金がアメリカ社会に与える多面的影響
 はじめに
 第1節 アメリカの経済・ビジネス論
 第2節 お金の社会科学的側面
 おわりに

第1部 アメリカの経済・ビジネス論

第1章 国際ジャーナリストの視点による現在のアメリカ経済の動き
 はじめに
 第1節 大統領選挙とアメリカ経済
 第2節 政府と連邦準備制度理事会のサブプライム対策
 第3節 原油高のアメリカ経済に与える影響
第2章 お金と幸福
 はじめに
 第1節 お金と効用
 第2節 バブルとお金
 第3節 サブプライム問題
 第4節 所得(お金)と幸福
 おわりに
第3章 アメリカのマネジメントと日本のマネジメント
 はじめに
 第1節 アメリカのマネジメント、日本のマネジメント
 第2節 能力主義と目標管理の考え方
 第3節 利益・原価の考え方
 第4節 新しいマネジメントを求めて
 おわりに
第4章 日米商交渉論
 はじめに
 第1節 事例と異文化問題発見
 第2節 商交渉に必要な英語力、表現力および論理性
 第3節 契約交渉の要諦
 おわりに

第2部 お金の社会科学的側面

第5章 トルーマン政権の経済外交─対共産主義政策としての対外援助
 はじめに
 第1節 第二次世界大戦後の状況
 第2節 トルーマン・ドクトリン─戦後の戦略的対外援助の始まり
 第3節 マーシャル・プラン─トルーマン・ドクトリンの拡大適用
 第4節 ポイント・フォー─第三世界へ広がる対外援助
 おわりに
第6章 日米安全保障体制と在日米軍駐留経費─日米同盟における役割と費用の分担
 はじめに
 第1節 在日米軍の駐留経費に対する制度的アプローチ
 第2節 在日米軍の駐留経費に対する歴史的アプローチ
 おわりに
第7章 アメリカは真に「自由な社会」なのか?─1980年代アメリカの「新自由主義」とハイエク思想
 はじめに
 第1節 1980年代アメリカの「新自由主義」─福祉国家論の衰退と新自由主義の隆盛
 第2節 ハイエクにおける「自由」─個人の行動と政府の最低限の役割
 第3節 1980年代アメリカの「新自由主義」とハイエク思想との異同
 おわりに
第8章 アメリカの国政選挙における「ソフト・マネー」 の規正と表現の自由の保護
 はじめに
 第1節 歴史的に見る政治における金の規正
 第2節 選挙資金の制限は表現の自由の制限になるという議論─Buckley v. Valeo (1976)
 第3節 超党派選挙改正法の合憲判断
 第4節 憲法修正第一条は政治発言を認めること─Federal Election Commission v. Wisconsin Right to Life, Inc. (2007)
 おわりに ─選挙とコマーシャル費用と法規制の難しさ

あとがき

著者プロフィール

【編者】
杉田 米行(すぎた よねゆき)
1962年大阪生まれ。大阪外国語大学アメリカ講座准教授。
主な著書に Mark E. Caprio and Yoneyuki Sugita eds., Democracy in Occupied Japan: The U.S. Occupation and Japanese Politics and Society(New York:Routledge, 2007); Pitfall or Panacea: the Irony of US Power in Occupied Japan, 1945-1952(New York:Routledge, 2003); 『ヘゲモニーの逆説:アジア太平洋戦争と米国の東アジア政策、1941年ー1952年』(世界思想社、1999年)など。