日本人とアメリカ人の生きがいについて
ゴードン・マシュ-ズ 著
宮川 陽子 訳
四六判 329ページ
3300円+税
ISBN978-4-916037-34-3
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日本語で「生きがい」を論じた著書が数多く出版されているが、原書はおそらく「生きがい」について英語で書かれた唯一の本である。既存の「生きがい論」と違うのは、本書が「生きがい」という日本の文化的な概念を、日本とアメリカ両社会を理解するための手段として用いていることである。さらに、「生きがい」を、「人は何のために生きるのか」という哲学的問題を究明する足掛りとして、人類学的調査方法によって探究した点にも、本書のユニークさがある。
目次
日本語版へのまえがき
訳者まえがき
はじめに
第一部:生きがいの文化的基盤
序文:生きがいーー人生に生きる価値を与えているもの
人生に生きる価値を与えているのは何か
本書の目的
第1章:日本におけるさまざまな「生きがい」
日本の活字メディアの中の「生きがい」
集団への献身としての生きがい/自己実現としての生きがい
日本の現在と将来における生きがい
第2章:アメリカにおける個人主義・共同体・同調性
アメリカの活字メディアに見られる日本の「生きがい」に相当する概念
個人主義・共同体・同調性(1950年〜1990年)
アメリカと日本における個人・集団・変化
第二部:日本人とアメリカ人の人生における「生きがい」
序文:インタビューの方法
第3章:仕事と家族にある生きがい
宮本憲一(48)
ピート・マリー(52)
宮本憲一とピート・マリー:分析
和田真佐子(40)
デニス・プラット(41)
和田真佐子とデニス・プラット:分析
高木敦司(42)
ジェリー・エリオット(43)
高木敦司とジェリー・エリオット:分析
生きがいとジェンダー
本章の日本人とアメリカ人の話に現れたジェンダー
ジェンダーと自己実現
妻と母の役割
生きがいとジェンダー
第4章:過去と未来にある生きがい
中島由利(21)
カースティン・ピーターズ(19)
中島由利とカースティン・ピーターズ:分析
木下俊之(30)
サム・アイザックス(30)
木下俊之とサム・アイザックス:分析
村上光子(68)
サリー・タッカー(60)
村上光子とサリー・タッカー:分析
生きがいと夢
夢・文化・ジェンダー
夢と歴史
夢・高齢化・死
第5章:創造と宗教にある生きがい
村上順司(61)
ルイーズ・ワイエス(59)
村上順司とルイーズ・ワイエス:分析
浅野清志(26)
デイブ・レディング(34)
浅野清志とデイブ・レディング:分析
山本正二(55)
キャロル・ジャクソン(54)
山本正二とキャロル・ジャクソン:分析
生きがいと意義
意義の追求
自分の生涯における意義の追求
自分の生涯を超える意義の追求
意義の不安定さ
第三部:生きがいと人生の意味
第6章:生きがいの現象学的分析
生きがいの比較文化理論
文化的・個人的に形成された運命
生きがいの文化的組み立て
生きがいの社会的交渉
生きがいの制度的方向づけ
第7章:生きがいと人間存在の究極的意味
情報提供者たちが持つ「人間存在の究極的意味」という観念
20世紀後期における人間存在の究極的意味
進歩・自然・宗教
今日みられる人間存在の究極的意味のさまざまな型
人生に生きる価値を与えているものは何か