大嘗祭の悠紀・主基斎田地を訪ねて
森田 勇造(著)
A5判 160ページ
価格 1,800円+税
ISBN978-4-86251-377-9
天皇一代一度の行事で、何十年かに一度行われる大嘗祭は、一般的にはあまり知られていないが、天皇制にとって大変重要な儀礼。また、本年秋に行われる大嘗祭を前に、今後の天皇制の在り方を洞察する上にとっても大事なことだと思い、明治以後に行われた斎田地を訪ねた。
明治時代以前の斎田地は、地域は分かっていても具体的な場所がはっきりしていないが、明治、大正、昭和、平成の斎田地は、記念碑が建立されているので、誰が訪れても確認できる。明治、大正、昭和、平成の東西二か所ずつの八か所と年代不詳の備中主基斎田地を訪れ、当時の様子を知る方々に話を伺い、写真も多数掲載している。
目次
はじめに
1 大嘗祭の悠紀・主基斎田地を訪ねて
(1)民主主義社会になった平成大嘗祭
① 激動の昭和を受けて
② 悠紀斎田地五城目町(秋田県)
③ 主基斎田地玖珠町(大分県)
(2)大国になった昭和大嘗祭
① 華やかな大正を受けて
② 悠紀斎田地野洲町(滋賀県)
③ 主基斎田地福岡市脇山(福岡県)
(3)活気的な大正大嘗祭
① 躍進した明治を受けて
② 悠紀斎田地岡崎市六ツ美(愛知県)
③ 主基斎田地綾川町(香川県)
(4)新生日本の明治大嘗祭
① 新生日本の成り立ち
② 悠紀斎田地甲府市石田(山梨県)
③ 主基斎田地安房鴨川(千葉県)
(5)年代不詳の備中主基斎田跡(岡山県)
①吉備中央町へ
②歴代の斎田地と回数
③十八回もの備中主基斎田とゆりわ田
2 大嘗祭の起こりと神社信仰
(1)新嘗祭から大嘗祭へ
①弥生時代からの新嘗祭
②大嘗祭の起こりと時代背景
③大嘗祭と伊勢神宮
④権威と権力の二重構造
(2)日本統合の戦略的大嘗祭
①食料(米)支配の儀式
②日の出と日没地からの供納米
③神社信仰と氏子の務め
参考文献
著者プロフィール
森田勇造 (モリタ ユウゾウ) (著)
昭和15年高知県宿毛市生まれ。
昭和39年以来、世界(142カ国)の諸民族の生活文化を踏査し続ける。同時に野外文化教育の研究と啓発、実践に努め、青少年の健全育成活動も続ける。元国立信州高遠少年自然の家所長。元国立大学法人東京学芸大学客員教授、現在、公益社団法人青少年交友協会理事長、野外文化研究所所長、野外文化教育学会顧問、博士(学術)、民族研究家、旅行作家、民族写真家。