生活習慣を変えることができるかがポイント
「初期のガンと末期のガンと、どちらが治りやすいか」と聞かれると、ほとんどの方が「初期のほうが治りやすい」とおっしゃるでしょう。
一般的には、初期のほうが治りやすいといえます。しかし、ガンは生活習慣病です。生活習慣を変えることができるかどうかが、治癒へのカギです。
極端な例ですが、肺ガンの初期の方がみえて、「先生、なんとかしてください。だけど私はタバコは一生やめません」とおっしゃいます。
また、末期の肺ガンと診断された方が、「先生、何をすればいいか教えてください。できることは何でもやるつもりです」とおっしゃったとしましょう。
この両者の、どちらが治癒へ向かいやすいのか、一概には言えません。両者の白血球の数やリンパ球の比率、体温などによっても変わってきます。
しかし、初期でも生活習慣を変えない方と、末期でも生活習慣を変えることができた方は、どちらがいい方向に向かうかというと、ステージだけでは判断できません。
生活習慣病は、患者さん本人だけが治せる病気なのです。また、患者さんを支えるのは家族です。医師をはじめとした医療関係者ができることは、そう多くはありません。福田稔先生は、「医療関係者ができることは5%、あとの95%は患者さんおよび家族だ」とおっしゃっています。
患者さんの自己治癒力がカギになる
厳しい言い方になりますが、「病気をつくったのは患者さん自身です。また、病気を治せるのも患者さん自身だけなのです。患者さんの自己治癒力が高まれば病気は治癒に向かうし、自己治癒力が低下すれば病気は悪化に向かいます」
西洋医学のみで診断・治療を行っている病院に行き、「可逆性がない」(ここまで悪化すると元には戻らない)と言われる病気であっても、元に戻る例はあります。
病気を治そうとするのではなく、自己治癒力を本来の姿に戻していけば、人間(生物)の体は自然に病気が治るようにできています。
元に戻るといえば、ピッツバーグ大学マクゴワン再生医療研究所のスティーブン・バディラック医学博士が、切断された指や足の再生医療に挑んでいます。
傷口に、ブタの膀胱から取った細胞外マトリックスを振りかけると、その働きによって骨や皮膚、爪など、それぞれの組織を形成する役割を持った細胞が体内から呼び寄せられ増殖を開始し、失われた部分を再生してくれるということです。
この細胞外マトリックスによって、今まで治らないと思われていた傷や病気も治すことができるというのです。湾岸戦争で足や手を失ったアメリカの軍人が、足や手、指の再生に成功しています。指紋も元に戻っているそうです。
自己治癒力は偉大です。本来あるべき自己治癒力を取り戻すことができれば、病気は自然に治っていきます。