トモダチ作戦の最前線
福島原発事故に見る日米同盟連携の教訓
OPERATION TOMODACHI
磯部 晃一 著
A5判 / 290ページ / 並製
冊子版価格:2,800円 + 税
電子版価格:2,500円(税込)
冊子版:ISBN978-4-7791-2603-1 C0031
Amazonで電子書籍を購入する |
楽天koboで電子書籍を購入する |
大震災と原発事故という未曽有の大災害に自衛隊は
約10万人を動員し、米軍も最大時1万6000人、
艦艇約15隻、航空機140機が参加した。
平常の災害出動とは全く異なる、
いわば“有事”ともいうべき事態に
日米の政府、自衛隊・米軍は如何に対応したかを
証言で克明に綴る。
目次
はじめに
3月14日のメモ
横須賀米軍基地で放射線を検知
なぜ、福島原発事故を学ばなければならないのか ほか
第一章 福島第一原子力発電所事故と自衛隊の対応
運命の時:2011年3月11日金曜日14時46分
福島原発事故への自衛隊の対応
3月11日:中央特殊武器防護隊(中特防)、福島原発へ
3月12日15時36分:一号機爆発
3月13日:中特防、オフサイトセンターに集結
3月14日11時01分:自衛隊「統合任務部隊─東北」の発足と
三号機爆発
3月15日:政府・東電の統合本部設置
3月16日:危機は続く
3月17日:大型ヘリ、チヌークによる散水
3月18日以降:米軍統合支援部隊(JSF)編成へ
12月26日:「自行原命第22号」終結命令 ほか
第二章 日米両政府の共同連携
発災直後の米国の状況
日米合同調整会合設立までの経緯
3月11日:日米政治レベルでの最初のコンタクト
3月12日:日米首脳間のコンタクト
3月13日:リアルタイムの情報が欲しい
3月14日:ルース大使と枝野長官
3月15日:菅首相から北澤大臣へ
3月16日:防衛省による日米協議の開催
3月17日:苛立つ米政府
3月18日:相当やばいんじゃないの
3月19日:日米合同調整会合のトリガー
3月21日:総理の一声
3月22日:ホソノ・プロセス
総 括
第三章 自衛隊と米軍の共同連携
三つのキーワード:統合運用、日米共同、政治と軍事
発災からJSF設置まで 「総オペ」ではソマリア海賊対処中
その時、在日米軍司令部では 「トモダチ作戦」名称の由来
発災当時のハワイ太平洋軍司令部
史上初の災害派遣における「統合任務部隊─東北(JTF‐TH)」
ゴー・トゥー・ヨコタ マレン議長からの電話
ヘリ散水の決断は JSF司令部の創設へ
ウィラード太平洋軍司令官訪日の報 JSF発足のインパクト
いびつな関係:統幕とJSF
米軍の人道支援・災害救援活動(HA/DR)
日米共同連携体制の強化 JTF‐505
日米連携のバトルリズム定着 ワーストケースを想定した計画
空母艦上での日米イベント 北澤防衛大臣感謝の言葉
総括
第四章 震災以降の取り組み
第一節 各種事故調査委員会報告書等の教訓と提言
第二節 第二次安倍政権の誕生とその安全保障・危機管理施策
第五章 教訓と今後の提言
第一節 なぜ、日米合同調整会合発足まで11日間もかかったのか
第二節 提言──「トモダチ作戦」をサクセス・ストーリーとして
終わらせてよいのだろうか
第三節 提言──危機に際して如何に臨めばよいのか
補 章 2011年、岐路に立っていた日本
おわりに
最後は「人」の育成
「人」に恵まれていた防衛省・自衛隊
「人」によって結ばれた日米同盟
真のヒーローは現場を支えた「人」たち
著者プロフィール
磯部 晃一(イソベ コウイチ)
Koichi Isobe.
いそべ こういち
1958年徳島県生まれ。防衛大学校卒。
陸上自衛官として東北大震災時は、
防衛省統合幕僚監部(統幕)の防衛計画部長の職にあり、
統幕の実状を体験。
退官後、ハーバード大学の上席研究員として在米中に、
関係者にインタビューをして本書を纏める。