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多様なニーズに寄りそう8つの事例
野口 武悟 著
A5判 176ページ
価格2,000円+税
ISBN978-4-86251-614-5

読書バリアフリーへの関心は高まりつつありますが、まだまだ取り組みとして普及しきってはいません。また、読書バリアフリー法の対象である「視覚障害者等」に含まれない、読書に課題を抱えている人たちがいます。
本書は、実際に読書バリアフリーに取り組んでいる8つの事例を紹介しながら、読書や図書館を取り巻く様々な課題について取り上げています。人々の多様な読書ニーズに寄りそった図書館の環境づくりや対応のあり方を一緒に考えていきましょう。

目次

序章 多様な読書ニーズとそれを支える図書館サービス
 序.1 読書バリアフリーへの関心の高まり
 序.2 もっと多様な人たちが読書バリアフリーを求めている
 序.3 本書の構成と概要

第1章 視覚障害者だけでなく「視覚障害者等」を意識した図書館サービス
 1.1 視覚障害者だけでない「視覚障害者等」
 1.2 「視覚障害者等」を意識した図書館環境・サービスの現状
 コラム 「発達性ディスレクシア」名古屋市志段味図書館での取り組み 名古屋市志段味図書館

第2章 手話と図書館
 2.1 言語としての手話
 2.2 手話を用いた情報提供・図書館サービス
  (1)図書館の取り組み
  (2)聴覚障害者情報提供施設の取り組み
 コラム 「手話は言語です」 名古屋市守山図書館
 コラム 場の共有と同一・同等の情報保障をめざして 堺市立健康福祉プラザ 視覚・聴覚障害者センター

第3章 認知症の人への図書館サービス
 3.1 「超高齢社会」を迎えて
 3.2 図書館における認知症バリアフリーの推進に向けて
 コラム 「認知症の利用者と一緒に取り組む図書館サービスについて」 八王子市教育委員会
 コラム 地域の中における認知症バリアフリーに向けた取り組み 川崎市宮前図書館

第4章 外国にルーツのある人への図書館サービス
 4.1 外国にルーツのある人の現状
 4.2 多文化共生に資する図書館の「多文化サービス」
  (1)「多文化サービス」の意義と位置づけ
  (2)「多文化サービス」の現状と課題
  (3)「多文化サービス」実践上の工夫
 コラム 当館で取り組んでいる多文化サービスの実践について 豊島区立図書館

第5章 性的マイノリティと図書館
 5.1 国際的な潮流と国内動向
 5.2 図書館としての取り組み

第6章 遠方の人にも図書館を身近に
 6.1 図書館は誰にとっても身近に存在しているのか
 6.2 「アウトリーチサービス」の主なアプローチ
  (1)移動図書館
 コラム 空とぶ図書館の実践について 沖縄県立図書館
  (2)郵送や宅配
  (3)電子図書館

第7章 いのちとくらしに直結した図書館
 7.1 患者にとっての「患者図書館」の意味
 コラム 病院患者図書室の読書文化・環境多様性 千葉県済生会習志野病院
 7.2 生活の場としての福祉施設と図書館

第8章 更生と社会復帰を支える図書館
 8.1 刑事収容施設の種類と収容者の現状
 8.2 刑事収容施設の読書と図書館
  (1)法令上の位置づけ
  (2)現状と課題
  (3)ある刑事施設の事例

終章 まとめと展望

著者プロフィール

野口 武悟(ノグチ タケノリ)
専修大学文学部教授・障がい学生支援室長、放送大学客員教授。
筑波大学大学院博士課程修了、博士(図書館情報学)。
図書館情報学を専門とし、読書バリアフリー、障害者サービス、子どもの読書活動、電子
図書館などを研究している。
現在、(公社)全国学校図書館協議会理事長、文部科学省図書館・学校図書館の運営の充実に関する有識者会議委員、千代田区図書館評議会会長、新宿区子ども読書活動推進会議座長なども務める。
主な著書に、『学校の「読書バリアフリー」はじめの一歩:学校図書館10の事例』(学事出版、2024年)、『読書バリアフリーの世界:大活字本と電子書籍の普及と活用』(三和書籍、2023年)、『変化する社会とともに歩む学校図書館』(勉誠出版、2021 年)などがある。