淺野 周 訳
A5判 600ページ
5800円+税
ISBN978-4-86251-420-2
『素問』や『霊枢』は、時代によって様々な先人たちが「この句は、こう解釈するのが正しい」などとし、解釈が異なる。そのため様々な翻訳文が生まれるので、訳者によって『内経』の日本語訳が異なる事態が発生する。こうした事態は現代文では起きず、だいたい似たような内容となる。だから本書の訳が、他の『素問訳』と違う部分があっても不思議ではない。
今回は「漢字に読み仮名をつけます」と豪語したのだが、そのため燎原の『漢方用語大辞典』を参考にし、ほとんどそれに従った。ただ「日本語の発音として変だろう」とか、「一般的に違うだろう」などと思う単語は、それに従わなかった。例えば頭項痛は「ずこうつう」でなくて「とうこうつう」にしたとか、脇痛は「きょうつう」でなくて「わきつう」にしたとかだ。「きょうつう」にすると、胸痛を思い浮かべるからだ。本書の用語については*で解説してあるが、それに該当しないものは『漢方用語大辞典』で調べれば足りる。『漢方用語大辞典』は振り仮名を付けるために利用しただけで、ほとんど中国語の『黄帝内経詞典』とか『病名辞典』や『中医証候辞典』などを使っている。
目次
まえがき
上古天真論篇 第一
四気調神大論篇 第二
生気通天論篇 第三
金匱真言論篇 第四
陰陽応象大論篇 第五
陰陽離合論篇 第六
陰陽別論篇 第七
霊蘭秘典論篇 第八
六節蔵象論篇 第九
五臓生成篇 第十
五臓別論篇 第十一
異法方宜論篇 第十二
移精変気論篇 第十三
湯液醪醴論篇 第十四
玉版論要篇 第十五
診要経終論篇 第十六
脈要精微論篇 第十七
平人気象論篇 第十八
玉機真臓論篇 第十九
三部九候論篇 第二十
経脈別論篇 第二十一
臓気法時論篇 第二十二
宣明五気篇 第二十三
血気形志篇 第二十四
宝命全形論篇 第二十五
八正神明論篇 第二十六
離合真邪論篇 第二十七
通評虚実論篇 第二十八
太陰陽明論篇 第二十九
陽明脈解篇 第三十
熱論篇 第三十一
刺熱篇 第三十二
評熱病論篇 第三十三
逆調論篇 第三十四
瘧論篇 第三十五
刺瘧篇 第三十六
気厥論篇 第三十七
咳論篇 第三十八
挙痛論篇 第三十九
腹中論篇 第四十
刺腰痛篇 第四十一
風論篇 第四十二
痹論篇 第四十三
痿論篇 第四十四
厥論篇 第四十五
病能論篇 第四十六
奇病論篇 第四十七
大奇論篇 第四十八
脈解篇 第四十九
刺要論篇 第五十
刺斉論篇 第五十一
刺禁論篇 第五十二
刺志論篇 第五十三
鍼解篇 第五十四
長刺節論篇 第五十五
皮部論篇 第五十六
経絡論篇 第五十七
気穴論篇 第五十八
気府論篇 第五十九
骨空論篇 第六十
水熱穴論篇 第六十一
調経論篇 第六十二
繆刺論篇 第六十三
四時刺逆従論篇 第六十四
標本病伝論篇 第六十五
天元紀大論篇 第六十六
五運行大論篇 第六十七
六微旨大論篇 第六十八
気交変大論篇 第六十九
五常政大論篇 第七十
六元正紀大論篇 第七十一
刺法論篇 第七十二
本病論篇 第七十三
至真要大論篇 第七十四
著至教論篇 第七十五
示従容論篇 第七十六
疎五過論篇 第七十七
徴四失論篇 第七十八
陰陽類論篇 第七十九
方盛衰論篇 第八十
解精微論篇 第八十一
あとがき
著者プロフィール
淺野 周 (アサノ シュウ)
略歴
1956年 島根県生まれ 1985年 学生時代に三寸三番を使った大腰筋刺鍼を開発
1987年 明治東洋医学院鍼灸科卒 1990年 北京中医学院針推系進修生終了
1990年 自宅で北京堂を開業
1992年 松江北京堂を開業 翌1993年閉店 1995年 北京留学 翌1996年帰国
1997年 北京堂西川津店を開業 2001年閉店
1998年 北京堂ホームページを開設 治療法を公開
2003年 北京堂沼袋店を開業 2006年 北京堂生麦店を開業
2009年 北京堂松江店を開業 2010年 北京堂仙川店を開業
2011年 北京堂京都店を開業 2013年 北京堂綾瀬店を開業
2020年 北京堂上福岡店を開業
出版書籍
『完訳鍼灸大成』『刺鍼事故』『最新鍼灸治療165病』『美容と健康の鍼灸』『頭皮鍼治療のすべて』『火鍼マニュアル』(三和書籍)『全訳経絡学』『全訳中医基礎理論』『全訳中医診断学』『全訳鍼灸治療学』『全訳鍼法灸法学』『全訳鍼灸医籍選』『実用急病鍼灸学』『鍼灸院開業マニュアル』『鍼灸院開業マニュアルDVDⅠ・Ⅱ』(たにぐち書店)、『経外穴110選』『鍼灸実技71選』『急病の鍼灸治療』『難病の鍼灸治療』(源草社)、『東洋医学概論の解説書 図説・霊枢現代語訳(鍼経)』、『淺野周校正 霊枢 原文(鍼経)』(三和書籍)