【分析・資料・文献】
浦野 起央 著
A5判 上製 520頁
10,000円+税
ISBN978-4-86251-152-2 C3031
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内容
ロシアとの北方領土問題、中国・台湾との尖閣諸島紛争、韓国との竹島紛争といった目を離せない領土紛争をはじめとして、対馬紛争や琉球諸島・先島諸島の帰属問題など、過去・現在にかけて日本は、周辺諸国との間にいくつもの領土問題を抱えてきた。
さらに、海底資源に各国の注目が集まるようになった現在、領土だけでなく領海・排他的経済水域に関わる外交交渉の重要性はいや増し、また、長距離核ミサイルの脅威によって領空と領土防衛に対する認識も高まっている。
本書は、これら領土・領海・領空に関する紛争とその外交交渉の経緯を、日本と相手国そして第三国の各時代の文献や法律条文・外交文書・声明文といった客観的資料を、豊富に掲載して分析するとともに、国境はどのように認識され、成立してきたのかという、議論の土台となる点についても資料をもとに冷静な考察を加える。
目次
はしがき
第1章 領土が問うもの
1、領土
2、領土の棲み分け―精神の国境
3、国家の境界
第2章 国境認識の射程
1、境界と国境
2、日本の内外
3,領土管理の形成
4、日本の国境認識
(1)太宰府と国境管理機能
(2)豊臣秀吉の朝鮮征伐とその意識
(3)日本型国境認識の原型
(4)「領土問題はない」との立論
5、列島文化と海洋国家の原点
(1)列島の文化
(2)海上の道
(3)沖縄起源論争
(4)沖縄の思想
6、日本の海防論
7、中華帝国朝鮮の領域考
8、中華世界の版図考
9、日本の辺境考
10、日本の統治領土
第3章 日本国境の成立
1、ヤマトの成立
2、初の国境画定
3、島国国家日本と対馬
4、国絵図と日本国境界
5、幕末維新期の国境画定
6、日本の領土購入建議
(1)南洋群島買収建議
(2)蘭領ニューギニア買収建議
7、海図の作製
8、日本近海の火山活動
9、日本の外邦測量
第4章 領土の帰属
1、領土の帰属
2、北方探険
3、領土問題─外交交渉と帰属確認
(1)当然的に領土の存在を認識される領土の確認
(2)住民の移動・交替・継続、生活圏の維持・変更による領土画定の確認
(3)領土支配をめぐる交渉の結果としての領土の確認
第5章 領土存在の確認
1、領土存在の確認
2、伊豆諸島
3、鳥島
4、隠岐
5、対馬
6、竹島
7、硫黄島
8、中ノ鳥島
9、昭和硫黄島
10、南鳥島
11、沖ノ鳥島
12、奄美諸島
13、吐?喇列島
14、大東島
15、尖閣諸島
第6章 領土画定と外交交渉
1、領土画定をめぐる外交交渉
2、小笠原諸島
第7章 領土支配と外交交渉
1、領土支配をめぐる外交交渉
2、琉球諸島
3、先島諸島
4、琉球・台湾法的地位論争
5、北方4島
6、北方領土交渉
(1)4島返還論
(2)2島譲渡論
(3)2島放棄批判論
(4)2島先行返還論
(5)3島返還論
(6)共同統治論
(7)面積2等分論
(8)千島列島全島返還論
(9)返還運動
(10)全面放棄論
(11)「北方領土不要論」論争
(12)3.25島返還論
(13)北方領土をめぐる世論
(14)北方領土をめぐるロシア住民の世論
(15)欧州議会の北方領土問題決議
(16)日ソ/日ロ交渉の総括
7、北方交流
第8章 領海・排他的経済水域
1、領海と排他的経済水域
(1)海洋の国際法秩序
(2)日本の海洋法秩序
(3)アジア海賊対策地域協力
2、日本の海洋開発
3、日本の200海里水域の海洋管理
4、東シナ海の石油開発
5、北洋地域及び北方領土周辺の排他的経済水域
(1)北洋漁業
(2)1956年日ソ漁業協定
(3)日ソ漁業協力協定
(4)日ソ漁業操業協定
(5)ソ地先沖合漁業暫定協定
(6)日ソ貝殻島昆布採取協定
(7)日ソ漁業協力協定
(8)日本漁船の安全操業枠組み協定
6、隠岐・韓国周辺の漁業専管水域と共同規制水域
(1)1965年日韓漁業協定
(2)日韓漁業協定の中断
(3)1998年日韓漁業協定
7、九州西方の排他的経済水域
(1)北部境界協定
(2)南部共同開発協定
8、沖縄西方の排他的経済水域
(1)中国の沖縄トラフ要求
(2)1955年日中漁業協定
(3)1975年日中漁業協定
(4)1997/2000年日中漁業協定
(5)東シナ海の漁撈混乱
9、沖ノ鳥島周辺排他的経済水域
第9章 領土防衛と対外認識
1、島嶼国家と領海
2、対馬海峡防衛
3、津軽海峡防衛
4、3海峡封鎖問題
5、海峡防衛
6、島嶼防衛
7、離島管理
8、竹島紛争
(1)日本の竹島固有領土論
(2)竹島の韓国所有論
(3)竹島放棄論
(4)韓国による独島囲込みと実効的支配
(5)竹島棚上げ論
(6)竹島領有紛争
(7)李明博韓国大統領の竹島上陸事件
7、尖閣諸島紛争
(1)釣魚台論争
(2)日本人の魚釣島上陸事件
(3)日本の先占領有論
(4)日本の尖閣列島中国領有論
(5)日本陰謀説と台湾事件
(6)中国の古来領土論
(7)中国武装船侵入事件
(8)灯台建設の外交事件
(9)保鈞運動
(10)尖閣諸島中国船衝突事件
(11)尖閣諸島国有化対立
(12)台湾漁業権要求の解決
(13)尖閣海戦
(14)中国海軍のレーダー照射事件
8、対馬紛争
(1)韓国の対馬領有論
(2)韓国の対馬領有運動
9、西南防衛計画
第10章 領空
1、日本の領空
2、与那国島の領空及び防空識別圏
3、領空侵犯
4、ミグ25事件
5、北朝鮮のミサイル発射実験
6、北朝鮮のミサイル脅威
著者プロフィール
浦野 起央(うらの たつお)
日本アフリカ学会理事、日本国際政治学会理事、アジア政経学会理事、国際法学会理事、日本平和学会理事を歴任。現在、日本大学名誉教授、北京大学客座教授。主な著書に、『資料体系アジア・アフリカ国際関係政治社会史』『現代における革命と自決』(パピルス出版)、『現代紛争論』『新世紀アジアの選択??日・韓・中とユーラシア』『日・中・韓の歴史認識』(南窓社)、『中日相互認識論集』(香港社会科出版社)、『国際関係理論史』『人間的国際社会論』『国際関係のカオス状態とパラダイム』『朝鮮統一の構図と北東アジア』(勁草書房)、『20世紀世界紛争事典』(三省堂)、『南海諸島国際紛争史』(刀水書房)、『世界テロ事典』『尖閣諸島・琉球・中国??日中国際関係史』、『冷戦・国際連合・市民社会??国連60年の成果と展望』、『チベット・中国・ダライラマ─チベット国際関係史』(三和書籍)、他多数。訳書では、ダグラス・パイク『ベトコン』(鹿島研究所出版会)、ハッサン・ビン・タラール『パレスチナの自決』、張聿法・他『第二次世界大戦後 戦争全史』(刀水書房)など