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技術の基礎から特許戦略まで
森 康晃 編著
秋元浩、河原林裕、木山亮一、高島一 著
A5判 並製 257頁
定価 3,200円+税
ISBN978-4-86251-071-6 C3036

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内容

本書は、バイオテクノロジーを知的財産の観点から解説した全く新しいテキストである。バイオと知財が交錯する部分の基礎的な論点はほぼ網羅し、わかりやすく解説してある。各項目で知識を深めるための「コラム」、専門用語を説明する「キーワード」など、理解を助ける工夫もなされている。

目次

<技術編> バイオテクノロジーの基礎

第1章 バイオ創薬と生命

1 バイオテクノロジーの概要
1)バイオテクノロジーの歴史
2)バイオテクノロジーの応用分野
3)将来のバイオテクノロジー
2 バイオ創薬
1)バイオ創薬とは
2)動物を利用した創薬
3)植物を利用した創薬
コラム 新薬開発のプロセス
3 バイオ医薬品
1)バイオ医薬品
2)タミフル
3)その他のバイオ医薬品
4 ゲノム創薬
1)ゲノム創薬とは
2)グリベック
3)将来のゲノム創薬
コラム グリベックの作用
5 生命の発生以前
1)生命の基礎となる有機物
2)生命に必要な3つの有機物
3)生命活動の源となるエネルギー
コラム 生命の始まりは高温か
6 生命をつかさどる物質の基礎
1)生命の誕生
2)生命の進化
3)物質を通した生命情報の流れ
コラム 生命の起源研究とソ連の研究者
7 人類と生物との関わり合い
1)生物の利用
2)生物の能力の源
3)生物と微生物の関係
コラム 役立つ共生
8 人類と微生物との関わり
1)微生物の食品での利用
2)微生物の染料での利用
3)微生物の発見
コラム 納豆に見る先人の知恵
9 環境と微生物
1)さまざまな環境と環境へのアプローチ
2)特殊環境と微生物
3)未培養微生物
コラム 環境からの遺伝子情報の獲得

第2章 ゲノム解析と組換えDNA

10 ゲノム解析とは
1)ゲノム解析の対象
2)対象のちがいによるゲノム解析の戦略
3)ゲノム解析の実際
コラム 最初のゲノム解析と生物学へのインパクト
11 ゲノム情報から判明すること
1)塩基配列から判明すること
2)遺伝子情報から判明すること
3)ゲノム情報の比較
コラム 配列比較による機能推定の落とし穴
12 組換えDNAの基礎
1)組換えDNAへの基盤
2)組換えDNAに用いるツール
3)組換えDNA技術の原理と応用
コラム DNAを切断するハサミ―制限酵素
13 塩基配列解読法
1)RNAによる分析法
2)マクサム・ギルバート法
3)サンガー法
コラム サンガーとノーベル賞
14 最新の塩基配列解読手法について
1)キャピラリーシーケンサー
2)パイロシーケンシング
3)次世代シーケンサー
コラム 次世代シーケンサーはバイオの世界をどう変えるか

第3章 バイオテクノロジーの応用

15 ゲノム情報の利用
1)遺伝子とゲノム
2)ゲノム情報の利用技術
3)DNAチップ
16 遺伝情報の利用
1)遺伝子データベース
2)遺伝情報と保険
3)遺伝子に関する特
コラム 健康保険データベース
17 遺伝子診断・遺伝子治療
1)遺伝子診断
2)倫理的問題点
3)将来の遺伝子診断・遺伝子治療
18 遺伝子組換え作物
1)遺伝子組換え作物とは
2)遺伝子組換え作物の例
3)遺伝子組換え作物の課題
コラム ラウンドアップ・レディ・ダイズ
19 個別化医療
1)個別化医療とは
2)個別化医療の例
3)将来の個別化医療
コラム 一塩基多型
20 再生医療
1)再生医療の歴史
2)iPS細胞
3)将来の再生医療
21 癌とバイオテクノロジー
1)癌化のメカニズム
2)癌の遺伝子治療
3)将来の癌治療
22 環境とバイオテクノロジー
1)環境ホルモンとは
2)環境ホルモンの試験法
3)化学物質管理
コラム ダイオキシン分解酵素

<知財編> バイオ特許
23 バイオ特許と知財戦略
1)バイオ知財戦略をめぐる世界の状況
2)国際標準化と絡めた知財戦略の重要性
3)バイオ特許の特徴
24 特許制度の仕組み
1)特許制度は何のためにあるか?
2)発明を特許にするためのプロセス
コラム 日本のバイオ特許の世界との比較
25 外国特許をとる基本的な仕組み
1)各国の産業政策の利害と知的財産権制度
2)海外で特許を取得する仕組み
3)米国特許法の問題点
コラム 米国特許法についての注意事項
26 特許出願
1)出願日と新規性の時点基準
2)新規性喪失の例外(グレース・ペリオド)
3)国内優先権 4)試験・研究の例外規定の解釈
(参考)特許手続き
1.特許出願に必要な書類は何か
2.出願人と発明者の違い?
コラム 2002年「知財元年」―知的財産の創造・保護・活用「フェーズ」
27 職務発明
1)発明者と職務発明
2)会社側の立場と「相対の対価」
3)大学における職務発明
コラム 職務発明の問題の背景
28 特許性の基準
1)「発明」と「発見」の違い
2)「物の発明」か「方法の発明」の分類
3)自然法則を利用した技術
コラム 科学か,技術か? 特許をどこまで優先させるか ─実現しなかった種なしブドウに関する基本特許
29 バイオ分野の特許(化学物質と生物関連発明)の種類と概要
1)化学物質の特許が認められた経緯
2)バイオ分野の特許の種類
3)微生物に関する特許についての寄託制度
30 塩基配列解読手法の進歩と特許
1)酵素の進歩
2)検出法の進歩
3)分離法の進歩
コラム キャピラリーDNA自動シーケンサーと日本の技術

第5章 特許性をめぐる新論点と明細書記載の実践例

31 iPS細胞とES細胞の特許
1)ヒトES細胞と生命倫理
2)パイオニア発明としてのiPS細胞特許
3)ヒトES細胞研究の立ち遅れとiPS細胞特許
コラム パイオニア発明の明暗 なぜ「i」PS?
32 明細書・特許請求の範囲の記載
1)明細書の目的
2)明細書・特許請求の具体例
3)明細書の構成
4)特許請求の範囲
33 明細書の記載に関する判決事例
1)アシクロビル事件
2)アシクロビル事件の教示
コラム 消尽論とは

第6章 バイオ特許の特徴と特有の問題点

34 バイオ特許の特徴と特有の問題点
1)リサーチツール特許とリーチスルーライセンスについて
2)バイオ関連特許について
3)バイオに関するライセンス契約の特徴と注意点
4)リサーチツール特許及びリーチスルーライセンスに関するいくつかの判例
5)バイオ特許に関するいくつかの代表的なライセンス事例
35 医療行為と特許
36 医薬品業界と特許
コラム いまだ残されている知財に関する諸課題
37 バイオを用いたベンチャーの基礎
1)ベンチャー起業の条件
2)ベンチャー発展に必要なしくみ
3)ベンチャー企業を支える社会的条件
コラム バイオベンチャー企業の成功とは
38 バイオベンチャー企業の実例
1)日本のベンチャー企業
2)海外のベンチャー企業の実例
3)ベンチャー企業育成のために必要な条件
コラム 日本における医療の将来
39 バイオイノベーションの評価
1)バイオ分野の技術評価
2)ノーベル賞
3)ノーベル賞と科学力
コラム ノーベル賞受賞者の年齢
40 ベンチャー政策
1)ベンチャー政策の歴史
2)産学連携
3)ベンチャーキャピタル
41 バイオベンチャー
1)アカデミックベンチャー
2)創薬ベンチャー
3)バイオベンチャーの問題点
42 知的財産における南北問題(先進国と途上国の対立・調整の問題)
1)知的財産における「南北問題」の所在
2)生物多様性条約と知的財産の問題
3)バイオ知財の南北問題におけるWTO・TRIPS協定の意義
コラム バイオ・パイラシー ─生物資源の盗賊行為とは

索引

執筆者紹介