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深い呼吸

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「息を吐くこと」を意識する

交感神経優位の状態では、呼吸は浅く速くなります。逆に、副交感神経優位の状態では、呼吸はゆっくりと深くなります。意識して、ゆっくりと深い呼吸を行うことで、副交感神経を優位にすることができるのです。呼吸をコントロールすることで、自律神経のバランスを整えることができるというわけです。その呼吸のコントロールを取り入れている健康法や精神修養法が、ヨガ、太極拳、気功、座禅などです。

身近に血圧計があれば、まず血圧を測ってみてください。その後、5分程度ゆっくりと深呼吸をくり返してください。息を吐くことを意識しながら、深い呼吸を行ってください。細くゆっくりと息を吐いていきましょう。

鼻から息を吐いても、口をすぼめた状態でゆっくりと口から息を吐いてもかまいません。息を吸うときは、口からではなく必ず鼻からにしてください。

こうして5分程度深呼吸を行ってから、再度血圧を測ってください。ほぼ確実に血圧が下がっているでしょう。深呼吸によって副交感神経が優位になり、血管が拡張して血液の流れがよくなり、血管への圧力(血圧)が下がるのです。

鍼灸治療で自律神経のバランスを調整する際に、副交感神経を優位にしたい場合は、患者さんが息を吐いているときに鍼の刺激を行うと効果が高まるというデータがあります。

先に紹介した爪もみも、息を吐いているときにギュッと押しもみしたほうが効果が高まると考え、患者さんには息を吐いているときにギュッと力を入れるよう指導している医師や鍼灸師もいます。

横隔膜を動かす「腹式呼吸」が効果的

健康法として、さまざまな呼吸法がありますが、すべてといっていいほど、「息を吐く」ことが主眼となっています。「息を深くゆっくりと吐く」というやり方であれば、どのような呼吸法でもけっこうです。

ゆっくりと息を吐くことに注意して、肺の空気を送り出してやればいいのです。十分に吐ききったら、吸うことに意識をしなくても、自然に空気が入ってきます。仕事の合間にもできますし、寝る前などに行っても効果的です。

インドの伝統医学のアーユルヴェーダや、気功も息をゆっくりと深く吐くことを重視しています。ヨガでも禅の呼吸でも、細く長く息を吐くようにするため、横隔膜が動かない胸式呼吸ではなく、横隔膜が上下に動く腹式呼吸になります。

腹式呼吸では横隔膜の運動範囲が広がり、取り入れる空気の量が胸式呼吸時の3〜5倍になります。

腹式呼吸は、胸式呼吸に比べて、精神安定、血圧上昇抑制、脳の活性化などの効果が高いといわれています。また、腹筋も鍛えられるので、腰痛予防にも役立ちます。

横隔膜を動かす腹式呼吸は、体がちぢこまった状態ではできません。パソコンの前で体を丸めて前屈みの姿勢で仕事をしている方は、昼食の時間や休憩の時間に、横隔膜を動かす深呼吸をしてみましょう。席を離れられない場合でも、椅子に座った状態で姿勢をよくして行うこともできます。また、通勤電車の中で行うこともできます。

おやすみ前に、布団の中で行うのも効果的です。あおむけになって腹式呼吸を行うと、自律神経のバランスが副交感神経優位になり、いつのまにか眠ってしまうことでしょう。

吸う時間よりも吐く時間を長くする

以前、NHKの『ためしてガッテン』という番組で、「呼吸法!ホントの健康パワー」と題して腹式呼吸の健康効果の検証が放送されました。

内容を簡単に紹介しましょう。

ヨガや座禅などの伝統的な呼吸法の場合、息を吸っている時間より吐いている時間のほうが長かったそうです。

息を吸うときと吐くときでは、自律神経のスイッチが切り替わります。
・吸う → 交感神経
・吐く → 副交感神経(リラックス)

伝統的な呼吸法は、意識的に息を吐く時間を長くすることで副交感神経優位の時間を長くし、リラックス効果を高めていると考えられるということでした。

「目安として、吸う時間を1とすれば、吐く時間が2になるように呼吸をしてください」というのが腹式呼吸のポイントだそうです(番組では吐く時間と吸う時間の目安を1対2としていますが、1対3のように吐く時間をさらに長くしてもけっこうです)。

腹式呼吸で期待できるものには、以下のものがありました。
・よく眠れる
・ストレス緩和
・冷えの改善

呼吸法による直接的な効果はないが、ストレス緩和効果によって、間接的に効果があるかもしれないというのが、以下の2つです。
・カゼの予防
・美肌効果

また、生活習慣病予防については、「期待できるがさらに研究が必要」という結論でした。

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