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ガンとリンパ球

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リンパ球の比率で治りやすさが違う

自律神経のバランスでいえば、ガンは、交感神経優位の患者さんに多い病気だと考えられてきました。しかし、福田稔先生が、福田医院のガンの患者さんを調べたところ、副交感神経優位の患者さんが4割ほどいました。

そこで、リンパ球の比率で患者さんを3つに分け、治りやすさを比較してみました。治りやすいのは、以下の順になります。

リンパ球の比率が35〜41%
リンパ球の比率が高い副交感神経優位
リンパ球の比率が低い交感神経優位

リンパ球の比率が理想値に入っていても、ストレスや生活習慣によっては、ガンが発症します。ただし、ガンが発症しても、治りやすい状態だといえます。リンパ球の比率が理想値にあると、「ガンが発症しにくく、発症しても治りやすい」といえます。

もっとも、白血球数のことも考慮しなければなりません。リンパ球の比率が高いからといって、白血球数が極端に少ないと、免疫力が高い状態とはいえません。また、リンパ球の比率が低くても、白血球数が多ければ、リンパ球の実数は多くなります。

さらに、体温も考慮に入れる必要があります。体温(腹腔内の温度)が低いと、リンパ球が多くても、働きが悪くなります。いくらリンパ球の比率と実数が理想値にあっても、ガン細胞を攻撃することができません。

同じ「胃ガン」という病名でも、リンパ球の比率によって、治りやすさが違ってくるのです。

自分自身の免疫力を知ることが重要

また、胃ガンでいえば、胃の幽門部(十二指腸とつながる)や噴門部(食道とつながる)のガンは、交感神経優位の患者さんの割合が多い、という特徴がありました。

興味深いことに、悪性度が高いといわれるスキルス性胃ガンでは、リンパ球の比率が高い患者さんが多くいました。

ガンのステージも重要な要素ではありますが、自分自身の免疫力(白血球の数とリンパ球の比率など)を知ることも、非常に大切なことです。ガンが「治りやすいか、治りにくいか」という指標にもなります。また、治療を選択する場合も、免疫の状態を知ってから判断するのと、免疫の状態を知らずに判断するのでは、違いが出てきます。

手術をした患者さんは平均として、白血球数が少なくなっています。加えて、抗ガン剤や放射線治療を行っていると、さらに低い場合が多くなっています。

通常、手術後や抗ガン剤の投与後、放射線の照射後は白血球数が減り、リンパ球の比率も下がります。自己治癒力が高いと、治療後に徐々に白血球数が上がって、リンパ球の比率が上がってきます。しかし、自己治癒力が低下していると、なかなか上がってきません。

ほとんどの抗ガン剤の添付文書には、重大な副作用として、「汎血球減少等の骨髄抑制」と表記されています。 そして、「汎血球減少、白血球減少、好中球減少、血小板減少、出血、貧血等があらわれることがある」と書いてあります。

汎血球減少(はんけっきゅうげんしょう)とは、血液中の赤血球・白血球・血小板のすべての血中細胞成分が全体的に減少する症候のことです。抗ガン剤の投与は、免疫の要である白血球や血小板の減少や、貧血を招くことがあるということです。

骨髄抑制(こつずいよくせい)とは、血球成分が減少する状態をいいます。抗がん剤の影響は、がん細胞だけでなく、正常細胞にも及びます。骨髄は、細胞分裂の活発な組織なので、影響を受けやすくなります

造血機能が障害され、顆粒球、血小板、赤血球の減少が起こります。 顆粒球が減少すると感染しやすくなり、血小板が減少すると出血しやすくなります。場合によっては生命の危険もあります。

免疫力だけでなく、心理的にも影響し、病気を克服するための意欲の低下や、不安感も生じることがあります。

赤血球の減少による貧血は、動悸、息切れ、めまいなどの症状が出ることがあります。

放射線の照射は、照射した部位にもよりますが、骨髄や骨盤などに照射すると、白血球や赤血球の減少が副作用として起こります。

初診時に検査したリンパ球数を、数字が多い順(免疫の高い順)に並べると、おおむね以下のようになっています。

未治療(3大療法を行っていない)
手術のみ
手術+抗ガン剤
手術+放射線

個人差がありますので、手術+抗ガン剤を行った患者さんでも、未治療の患者さんよりリンパ球の数も多く、比率も高い場合もあります。あくまでも平均で、傾向として考えてください。

ところで、ガンの患者さんに共通しているのは、足の冷えが強いことです。リンパ球の比率が理想値にある患者さんでも、足を触ると冷えがあります。この「頭熱足寒」状態を、「頭寒足熱」の本来あるべき姿に変え、体温を理想値にしていくことが必要です。

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