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「総・外交官」時代
趙 啓正 著
王 敏 編・監訳
A5判 並製 270頁
3,000円+税
ISBN978-4-86251-122-5 C3031

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グローバル化の時代、「公共外交」と「政府外交」は国家の総体的な外交を構成するものである。公共外交の参与者は、それぞれの異なる視点から自国の国情を外国の大衆に伝え、自国の政策を説明し、自国に対する外国の不理解を解明すると同時に、国際交流の中で相手方の考え方を理解する。公共外交を展開する目的は、自国に対する外国の大衆の態度を改善することにより、外国政府の自国に対する外交政策形成に影響を与えることである。

目次

日本語版序文 「兼業」をこなす人たちの真髄──王 敏
中国語版序文 ──趙 啓正
第I部 視点、論点編
第一章 公共外交の時代に入った中国
一、民間外交から公共外交へ
(1)公共外交とは何か
(2)公共外交でよく見られるスタイル
(3)中国はなぜ公共外交を展開する必要があるのか
(4)いかに効果的に公共外交を展開するか
二、新しい公共外交はグローバルな調和のための対話のネットワークである
三、公共外交での民間の力
(1)政協は公共外交を展開するのにふさわしい機構の一つである
(2)企業も公共外交の重要な力となる
四、「公共関係」と「公共外交」の関わりと区別
五、国際フォーラム─公共外交の重要なプラットフォーム
(1)「二十一世紀フォーラム」
(2)「北京─東京フォーラム」
六、上海万博─公共外交の大舞台

第二章 国際世論─国家が発展するための重要条件
一、世論で「国の人気」を勝ち取る
(1)現在の中国の世論環境を直視すること
(2)中国の発展過程で生じる問題について自発的に説明するということ
二、世論環境が国家の安全に及ぼす影響を強く重視するということ

第三章 行政機関のスポークスマン制度
一、国内外の世論を牽引する効果的方法としての記者会見
二、わが国のスポークスマン制度の発展と現状
三、記者会見の形式と特徴
四、優秀なメディアと記者は記者会見の支え
(1)メディアが世論を引率する力とは、誠実と信用である
(2)効率の良いメディアは対外発信の基礎
五、スポークスマンの基本的素養
第四章 国の建設とイメージに関する発信
一、国家イメージの基礎は国家の実情にある
二、世界に中国の真実を伝える
(1)対外発信の原則
(2)対外発信の態度─「理直気和」(理にかなう、気が穏やか)

第五章 国家イメージに対する地域の貢献
一、地域は国家の公共外交の責任を背負っている
(1)地域の公共外交のルート
(2)地域の突発事件の対応─イメージアップか、それともイメージダウンか
二、地域の情報発信は地元の特色を鮮明に
三、地域経済発展の成果を海外へ伝える

第六章 文化を基礎とする対外発信
一、文化は人類のあらゆる分野のDNA
二、文化の相違性は普遍的に存在している
三、文化の違いによるコミュニケーションの障壁
四、対話を介し「有限のコンセンサス」を求める
五、文化の中の共通点で違いを補う
六、中国の立場、国際的表現

第七章 異文化コミュニケーションから見た発言力の問題
一、国の総合力は発言力の基礎である
二、西側メディアのゲームルールを熟知しなければならない
三、対外交流では事実に基づいた発言こそ説得力がある
四、国家レトリックと国家キーワードの役割
五、国際政治におけるコミュニケーションおよび発信力について
(1)「人権白書」で「人権」を主流言説に取り入れる
(2)中国の政治体制を紹介する発言力の向上

第八章 翻訳─文化の架け橋
一、改革開放の翻訳事業への呼びかけ
二、今日における翻訳業務への要求
三、翻訳を通した正確な「国のキーワード」の伝達
四、強大な翻訳チームの創設

第九章 インターネットが持つ外交のチャンスと挑戦
一、ネット外交の興隆
(1)政府のネット外交
(2)公衆のネット外交
二、ネット時代の公共外交が直面した新しい挑戦
(1)ネットグループ(群体性)事件
(2)ネット外交名義で他国の内政に干渉する
(3)ネット秘密の漏れ
三、インターネット文明建設の一大課題─有利な事業を興し弊害を除く

第十章 発信の中で強まりつつある中国文化の生命力
一、民族の振興は文化の振興を必要とする
二、中国文化は発信の中で生命力を強めていく
三、対外発信における中国文化の「赤字」
四、中国のインターカルチャー「製品」を開発しよう
(1)対外出版物
(2)さまざまな文化交流イベント
五、中国図書が世界に出て行く機会と方略

第十一章 中国イメージと「中国モデル」
第II部 対談、講演編
第一章 公共外交と各個人の責任
─呉建民大使と公共外交を語る
第二章 「中国列車」は平和的発展の軌道を進む
─未来学者ジョン・ネイスビッツ、およびその夫人ドリスとの対話
第三章 信仰を超えて、調和対話を
─アメリカの宗教指導者、ルイス・パラオ博士との対話
第四章 危機の時に現れる新しい知恵
─二〇〇九年夏季ダボスフォーラムでの対話
第五章 責任を負う利害関係者
─B・ ロバート・ゼーリック氏講演への評論
第六章 歴史を重んじ、現実と直面する
─フォックス銅像の除幕式と「中米非公式高層対話」での講演
第七章 公共外交が中日関係を押し進める
─「北京?東京フォーラム」でのスピーチ
第八章 歴史の時針を逆戻りさせてはならない
─若宮啓文氏の『和解とナショナリズム』を読んで
第九章 振り向く馬は賢い馬
─全国政治協商会議の記者会見で中国と外国人記者の質疑応答
第十章 「国際に通じる対話者」の育成
─大学でのメディア学関係者向け講演
第十一章 感知と人文精神
─「都市で感知、都市を読み解く」万博フォーラムでの講演

後記 「総外交」の時代  王 敏
著者、責任編集・監訳者、訳者略歴