王維~田能村竹田~夏目漱石
茫 淑文(著/文)
A5判   265頁  並製
定価 3,800円+税
ISBN 978-4-86251-128-7 C3090

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内容

文人画(南画)と漢詩の二本柱を考察の軸とし、夏目漱石に至るまでの陶淵明、王維、田能村竹田、正岡子規という日中文人の系譜を中心に、それまでの文人のライフスタイルなどを漱石がどのように継承したか、などの問題を明らかにする。

目次

序章 文人の系譜─王維〜田能村竹田〜夏目漱石

第一章 漱石と絵画
第一節 明治時代画壇の風潮
第二節 漱石と美術家達との交流
第三節 作家である漱石のもう一つの顔
第四節 アマチュア画家である漱石が理想とした絵画とは

第二章 田能村竹田から漱石へ─文人画を軸に
第一節 竹田の文人画にみる世界
(一)川や橋に拘る竹田の山水画
(二)竹田の山水画に描かれている人物
(三)竹田の山水画にみる主人公の趣味
(四)竹田の文人画から伝わってくる生活の匂い
第二節 漱石の南画が語る世界
(一)漱石の南画に描かれている人物
(二)桃源郷がモチーフとされる漱石の南画
(三)虚構でありながら写実的な漱石の南画
(四)結論

第三章 王維から漱石へ─文人画を介して
第一節 王維と漱石の接点
第二節 「詠われる」王維の文人画
第三節 俗社会に完全には背を向けていなかった王維
第四節 漱石の南画にみる主人公の内面
第五節 人懐こい王維、一人の時間と空間の場にこだわる漱石

第四章 陶淵明から漱石へ─隠逸精神を介して
第一節 陶淵明に傾倒していた漱石
第二節 「悠然見南山」にみる陶淵明の隠逸精神
第三節 「鳥」に成り切れぬ陶淵明
第四節 「ハーミット的」な漱石
第五節 『草枕』にみる隠逸精神
第六節 淵明に憧れながら再構築した漱石の隠逸精神
(一)淵明の桃源郷を彷彿させながら異質を見せる漱石の桃源郷
(二)漢詩にみる淵明と漱石それぞれの隠逸精神

第五章 漢詩にみる文人の友情─王維と裴迪・漱石と子規
第一節 文人の友情
第二節 王維の送別詩にみる裴迪との交流振り
第三節 漱石における子規の存在
第四節 裴迪を徹底的に労る王維・子規と労り合う漱石

第六章 自然に身を浸す王維/都会的な漱石─春に因んだ詩を中心に
第一節 春という季節にこだわる王維と漱石
第二節 王維の詩にみる春のイメージ
(一)植物などによる風景描写
(二)鳥などの動物の登場
(三)人間の心境
第三節 漱石の題画詩
(一)植物などの風景表現
(二)鳥などの動物の登場
(三)人間描写
第四節 写実性を重んじる王維/想像性の豊かな漱石

第七章 題画詩にみる漱石の「文人」像─王維の『〓川集』との比較を通して
第一節 漱石と王維のもう一つの接点
第二節 王維の『〓川集』にみる虚と実
(一)視覚的表現の工夫
(二)『〓川集』にみる写実性
(三)聴覚的表現の多用
(四)幻想世界の展開
第三節 漱石の題画詩にみる漱石の「文人」肌
(一)詩の題材として最もよく扱われる竹
(二)春がモチーフとされる漢詩が圧倒的に多い
(三)聴覚的表現が目立っている
(四)人間に焦点を据える傾向
(五)室内に視点が据えられる詩が多い
第四節 実→虚構性を見せる王維の『〓川集』/虚→写実性を示す漱石の題画詩
(一)バラエティーに富んでいる聴覚的な表現
(二)写実的な王維/虚構性を見せる漱石
(三)自然3に目を向ける王維/自己を見詰める漱石

結論 文人の系譜にある漱石の「文人」像
(一)「悠然見南山」に倣いながら新たに生成した漱石の隠逸精神
(二)隠遁世界でありながら生活の匂いを感じさせる竹田と漱石の画
(三)裴迪を徹底的に労わる王維/子規と労り合う漱石
(四)南画(詩的絵画)及び絵画的漢詩にみる王維と漱石のアイロニー現象
(A)個への凝視
(B)実→虚である王維/虚→実である漱石

あとがき

初出一覧
参考文献