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知的財産制度からみた生物多様性条約
森 岡一(著/文)
四六判   354頁  上製
定価 3,800円+税
ISBN 978-4-86251-053-2 C3060

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内容

「アクセスと利益配分」の問題とは?
何が問題で、世界中でどんな紛争が起こっているのか?
先進国の思惑と資源国の要求の調整は可能なのか?
争点の全体像を明らかにし、解決への展望を指し示す!

目次

はしがき

第1部 伝統的知識と生物遺伝資源の産業利用状況

 はじめに

 第1章 生物遺伝資源と生物多様性条約
  生物遺伝資源とは
  生物遺伝資源の利用
  生物多様性条約成立までの議論
  生物多様性条約の成立
  生物多様性条約で使われる用語
  バイオプロスペクティングとバイオパイレシー
  生物多様性条約におけるアクセスと利益配分
  生物多様性条約における伝統的知識の保護
  生物多様性条約の知的財産面と知的財産関連国際条約との関係

 第2章 伝統的知識の知的財産としての保護の現状
  伝統的知識の産業利用について
  伝統的知識の保護
  伝統的知識保持者の考え方
  地域社会としての伝統的知識の権利保持
  原住民を意識した特別な制度の必要性
  伝統的知識の自己防衛的保護の実態
  知的財産管理を目指した伝統的知識のデータベース化
  データベース化とクリアリングハウス構想の推進による防衛的保護
  国際機関の合意に基づくガイドライン
  伝統的知識あるいは伝統的芸術に対する米国の取り組み
  伝統的知識の利用と保護のあり方

 第3章 医薬としての生物遺伝資源利用
  資源国における薬用植物の利用実態
  資源国における原始的商用流通の発展と功罪
  資源国での伝統医療の近代化の試みとその課題
  中国における薬用植物事情
  インドにおける薬用植物事情
  利用国における薬用植物の応用による医薬品開発
  生物遺伝資源へのアクセスシステム改善要求の高まり
  日本における薬用植物の利用状況
  薬用植物を巡る知的財産問題
  生物多様性条約と出所開示
  薬草問題解決のため行われている現在の取り組み
  薬草問題に関する考察と今後の展望

 第4章 機能性食品素材としての生物遺伝資源の利用
  伝統的知識を利用した新規機能性素材の発見
  機能性食品素材としての生物遺伝資源の利用
  健康食品用原料の調達とコモディティ問題
  健康食品分野での生物遺伝資源の利用実例

 第5章 化粧品やその他の素材としての生物遺伝資源
  化粧品としての生物遺伝資源利用の事例
  プエラリア・ミリフィカの化粧品素材としての商用利用
  農産物、園芸品での生物遺伝資源利用の実例
  日本独自の生物遺伝資源
  コモディティ化による品質、価格の安定

 第6章 生物遺伝資源取り扱い仲介業者の実態と役割
  生物遺伝資源のアクセスと利益配分における仲介業者の役割について

 第7章 微生物利用医薬品産業と生物多様性条約の関係
  微生物利用医薬品産業の歴史と構造
  産官の微生物有用産物探索研究開発の現状
  微生物アクセス事業を行う民間企業
  微生物資源利用産業のアクセスと利益配分の考え方

 第8章 産業界アンケート結果が示す生物遺伝資源に対する産業界の考え方
 *第1部[注]

第2部 生物遺伝資源を巡る資源国と利用国の間の紛争事例研究

 第1章 伝統的知識とその関連生物遺伝資源に関する紛争事例
  共有地の荒廃による生物遺伝資源と伝統的知識の絶滅
  伝統的知識供給国関係者の一部による利益独占
  伝統的知識の特許化による地域社会内での利害対立
  近代文明社会のバイアスによる伝統的知識の無視
  原住民への先進国社会制度の押し付け
  外国人による伝統的産業の妨害
  日本企業による勝手な中国伝統的知識のネット流布
  生物遺伝資源保存機関から生物遺伝資源の不正流出

 第2章 誤った特許付与にみる伝統的知識と公共の利益の問題
  伝統的知識による特許新規性問題事例
  伝統的知識に基づく特許権の行使抑制事例
  誤った特許付与に関する課題と解決策

 第3章 バイオパイラシーの可能性があると指摘された日本特許出願とその背景
  ペルー農産物関連の日本特許出願について
  ペルー調査文書の提起した課題

 第4章 インドネシアの高病原性鳥インフルエンザウイルス標本提供拒否
  ウイルス標本提供拒否事件の概要と問題の所在
  高病原性鳥インフルエンザワクチン供給国際機構の不備
  公衆衛生上必須の高病原性鳥インフルエンザウイルス標本の私有化
  高病原性鳥インフルエンザウイルス標本は国の主権的権利が及ぶか?
  人類の共有物である生物材料の知的財産権による私有化
  医薬品に対するいわゆる南北問題としての課題

 第5章 資源国伝統的知識の先進国での商標化の事例
  はじめに
  ケニアの織物「Kikoy」
  ブラジルのジュース「クプアス」
  南アフリカの「ルイボス(rooibos)」茶
  タイのヨガ「ルーシーダットン」
  エチオピアのコーヒー「Harar」、「Sidamo」、「Yirgacheffe」
  伝統的知識の商標登録と特許庁判断
  地域表示との関係
  伝統的知識の商標登録のあり方
  伝統的知識の商標化に対する資源国の対処

 第6章 エチオピア国のコーヒー原産地商標登録出願の生物多様性条約からの意味
  エチオピア政府のコーヒー原産地商標登録出願
  Oxfamのエチオピア政府サポート
  Starbucksと米国コーヒー協会の反論
  米国特許商標庁における審査経過
  エチオピア商標登録出願に対するStarbucksのその後の交渉
  商標権ライセンスは生物多様性条約にいう利益配分か?
  商標ライセンスによる利益配分の合理性
  利益配分としての原産地商標と認証制度との比較
 *第2部[注]

第3部 伝統的知識と生物遺伝資源

 第1章 生物遺伝資源・伝統的知識は人類の共有物である

 第2章 伝統的知識と共有財産の崩壊

 第3章 知的財産としての伝統的知識の考え方

 第4章 伝統的知識及び関連生物遺伝資源の共有管理のあり方

 第5章 国有地における生物遺伝資源の利用と利益配分

 第6章 共有財産としての海洋微生物資源とその利益配分

 第7章 共有地から得られる利益の配分についての考え方

 第8章 植物遺伝資源の農産物化とそのアクセスと利益配分の変遷
  カムカムにみる利益相反
  生物遺伝資源の農産物化の過程とその所有状態
  生物遺伝資源の農産物化に対する伝統的知識保持者の抵抗
  生物遺伝資源の農産物化の要件
  インド生物多様性法にみる農産物化した場合の利益配分のあり方
  完全に農産物化しコモディティになった場合の利益配分のあり方
  生物遺伝資源の農産物化に伴う利益配分に対する提案
 *第3部[注]

第4部 伝統的知識と生物遺伝資源に対する資源国の取り組み

 第1章 インドにおける生物遺伝資源関連法規制
  インド生物多様性法の概要
  インド生物多様性法の現状
  インドのアユルヴェーダ薬局方の試み
  インド企業の実情と意見

 第2章 中国中央政府の生物多様性条約関連法規制と専利法の改正
  中国の生物遺伝資源の知的財産保護条例
  中国専利法改正案について
  中国専利法第三次改正案の影響

 第3章 その他の資源国における生物遺伝資源関連法規制

 第4章 資源国内でのその他の取り組み

 第5章 「特別な制度(sui generis)」という考え方の現状

 第6章 小特許(Petty Patent)システムの導入について

 第7章 利用国の倫理・社会的責任に基づく保護のあり方
  米国国立衛生研究所の伝統的医薬に関する考え方
  米国バイオ産業協会の作成したバイオ探索ガイドライン
  利用関係者団体の倫理規定による自己規制とガイドライン
  利用国民間企業が自主的に決めたガイドライン
 *第4部[注]

第5部 生物遺伝資源の持続的産業利用促進のための課題

 第1章 生物遺伝資源アクセスと利益配分についての一般的な考え方
  利益配分としての共有特許の制度上の問題点とあり方
  最終製品における遺伝資源の貢献度の考え方
  現在明確な利益があるものと将来予定される利益に対する考え方の違い
  微生物は生物遺伝資源としての性格が植物と異なる

 第2章 生物多様性条約におけるアクセスと利益配分の新しい考え方
  クリアリングハウス機構(Clearing House Mechanism=CHM))の設立
  オープン・ソース・イニシャティブ(Open Source Initiative)

 第3章 生物遺伝資源関連特許の出所開示問題の所在について
  特許法上の開示要件からみた出所開示について
  伝統的知識の出所開示のあり方に関する考察
  特許管理実務上からの出所開示を考える
  出所開示問題についてヨーロッパ提案に対する考察

 第4章 Fairtrade labelingコーヒーなどの農産物の認証制度とその利益配分の考え方
  はじめに
  農産物等で実行されている持続的生産の認証制度の発達
  T’ ikapapa運動
  自然保護を基本とするRainforest Allianceの認証制度
  競争入札を価格設定とする認証制度
  固定価格を基本とするフェアトレード制度
  認証制度の発達と価格コントロールへの展開
  フェアトレード価格の問題点
  プレミア制は消費者購買の動機付け
  フェアトレード価格制度による生産農民の利益配分

 第5章 生物遺伝資源の国際認証制度
  生物遺伝資源アクセスと利益配分制度としての認証制度
  認証制度に対する産業界からの提案

 第6章 生物遺伝資源の持続的利用の促進のための伝統的知識
  「共有地」への回帰
 *第5部[注]

第6部 日本の利用企業の取り組むべき姿勢と課題

 第1章 生物遺伝資源を利用する企業のとるべき姿
  生物遺伝資源の利用と企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility=CSR)
  遺伝資源へのアクセスから製品化までの研究開発と知的財産活動
  企業が生物遺伝資源を用いる研究開発の各段階でチェックすべきこと
  特に中国生物遺伝資源に対するアクセスと利益配分の課題
  生物遺伝資源へのアクセスと利益配分について企業が考慮すべきポイント
  生物遺伝資源へのアクセスの実例
  実際のアクセス、事前の情報に基づく同意手続き窓口、契約の課題
  共同研究をする際の留意点
  特許出願時の出所開示に対する現実的な取り組み
  生物遺伝資源にアクセスと研究開発を行う際の一般的な考え方

 第2章 生物多様性条約問題解決に向けた提言
 *第6部[注]

おわりに
発表論文